A miracle of chance （青）short story

翔太くんと康二くん ページ33

翔太くんが名古屋へ旅立ってから数日が経った。



相変わらず連絡は不規則だけれど、忙しい合間にも



『楽屋も部屋も康二と一緒だよ』

『また肌荒れひどくて最悪』

『今日はめっちゃ喉の調子良かった』


など色々なことを報告してくれるので嬉しかった。



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週末の金曜日。



今日は会議の日だったのでいつもより帰りが遅くなり、進行も務めていた私はとても疲れていた。



でもいよいよ来週は名古屋に行って、舞台上の翔太くんに会える。



そう思うだけで、仕事の疲れなんか吹き飛ぶし、日常の何気ないことが色付いて見える気さえしていた。



とは言え体は正直で。



帰宅してお風呂から上がると急激な眠気に襲われ、気付いたらソファーで寝てしまっていた。



夜中に喉が乾いてふと目覚める。



時計を見ると3時。



「やば…寝ちゃった…」



冷蔵庫から水を取り出して飲み、スマホを持って寝室に移動しようと思った時、着信履歴があることに気付く。

見ればそこには翔太くんの名前。



「うそ…最悪…」


着信があったのは22時半頃。


ちょうど深い眠りに入った辺りだった。


今日に限って寝てしまっていた自分を恨む。


かけ直すには非常識な時間だ。


あぁ…せっかく電話くれたのに。


本当に泣きそうだ。


とりあえず、明日の朝に連絡してみよう。


そう思いながら眠りについた。



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翌朝



『昨日は電話ごめんね。寝ちゃってた。何かあった？』


そうメッセージを送って返信を待った。


しかし未だに既読にはなっていない。


確か今日は夜だけの公演日のはず。


練習などで忙しいのかな？


それとも出かけてるとか？


なんだか落ち着かなくて、10時頃に一度電話をしてみることにした。

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