千年のLove song (ページ11)

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二人の約束2（わたたい）ページ11

握った手に力がかかった。
渉は強い力で俺の手を引き、思わずバランスを崩した。

「わっ…ん…っ！」

不意に重ねられた唇。

渉は体をゆっくりと起こして、今度は俺の頬を両手で包んだ。

「言えよ、何を約束すんだよ」

「俺以外見ないで？」

「それで？」

「俺の渉だって言いたいから、お揃いの物つけて？」

「それで？」

「明日も明後日も、10年後も20年後も、俺の側にいて？」

「…それで？」

「渉の側にいられる保証が欲しいよ。

――――――渉の全部をちょうだい？」

「――――そんなの、とっくに全部お前にやったよ。」

渉は繋いだ手を離して、俺の首に巻き付ける。

「心も体も、全部お前の物だから、好きにしろよ」

照れながら首を少しだけ傾けて、誘うように笑う。

この腕を、この言葉を

自分だけのものにしたいだけの、身勝手な約束。

それでも君は約束してくれる。

「わた、大好き」

「知ってる」

「でも言いたい。好き。わたが好きだよ」

「うん。俺も、好き。太輔」

宮田と玉の写真より、ずっと自然に寄り添って
何度もキスを交わす。

決してファンの前で誓えなくても、誰にも言えない恋だとしても、きっとこの手を離さない。

夏にはまだ早い、柔らかい日差しと、

心地よい風に当たりながら、

俺たちは、誰にも知られず、

誰にも秘密の、約束を交わした。

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【Kis-My-Worldツアー中】

Side：Yokoo

「あれ、わったー、珍しいね、ブレスレットなんかつけてるの。」

着替えをしていると、裕太が俺の腕にあるブレスレットに気づいて声を掛けてきた

「うん」

「でも、似合ってる。」

「ありがと」

「でもほんと、わったーっぽくないね」

俺は、裕太に聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で、そっと呟いた。

「――――――『約束』、したから。」

―――――――――――End――――――――