浜田中文芸部、取材旅行っ!？

思い出ばなし。 ページ11

(彩side)

二日目のホテル。
ここもやっぱり一部屋だった。

昨日はすぐ寝ちゃったからあんまり覚えてないけど、やっぱり緊張するなぁ。

とは言っても、あとは寝るだけなんだけどね。


「立花さ、」

「ん？」

「いい作品、書けそう？」

「んー。どうだろ。まだわからないけど。」

「そっか」



何気ない会話。
でも人って、そのひとつひとつがとても心に残るらしいの。
だから、大事にしようと思ってる。

「KZの集合、ないのかなぁ。」

「ああ、あいつらのこと？」

「うん。」

「楽しそうだよな、お前ら」

「うん、とっても。小学生の頃からずっと続けてるの。」


「へぇ。最初の事件はどんなだった？」

「最初は若武の自転車が盗まれたことから始まったんだ。」

私の口は塞がらない。

「ぶっ……、マヌケｗｗ」

「それが、コンビニ強盗に繋がったの」

「すげぇ。」

「次は図書館の本のページが無くなった。」

「それで？」

「誘拐事件だった。」

「はぁ！？」

「キーホルダーが落ちてきたときは、毒物。若武のアレルギーは、製品偽装。毒入りのワッフル」

「最初は全部ちっぽけで結果はすげぇって、良くできてんな。」

ああ、懐かしい。


「フランスでもあったの。これは説明しきれないんだけどね。クリスマスパーティーも凄かった。」

「へぇ」

「最近だと、神剣の呪いとか、都市伝説。」

「そこら辺は系統が似てるじゃん」

まあね。


「とにかく、とても楽しかった。時間を忘れるくらい。ずっとずっと続けばいいのにって思ってる。無理だけどね。」

「限界まで、頑張るしかねぇじゃん？」

「え？」

「楽しいんだったらさ、守らねーと。ずっと続くように願わねぇと。」

「うん……」








「俺も、お前が明るく笑えるように祈るからさ。」





「え？何て言った？」

「いや。何でもない。とにかく、明日があるから早く寝ろ！」

「うん、おやすみ」

終わり ログインすれば
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