本能のままに ページ5
リンside
反射的に顔を上げると前方から巨人が4体接近してくる！
よく見ると変な走り方だ。
「チッ……奇行種か。」
頭上で聞こえてきた舌打ちと聞き慣れない単語。
辺りはどよめき始める
が、
私は自分でも不思議なくらい平然としていられた。
徐々に巨人との距離が縮まっていく
同時に段々と周囲の音が聞こえなくなってきた。
『殺さなきゃ。』
脳裏を過る不謹慎な言葉。
しかし、この状況では適切と言えるだろう。
気がつけば私の身体は勝手に動き始める。
それに対して違和感は全く無い。
まるで、お腹が空いて何かを食べる時の様に
本能が殺せと言っている。
ならば、それに従い本能のままに動くだけ。
リヴァイside
俺がリンの異変に気付いた時には既に遅かった。
馬を飛び降り空中で剣を抜き巨人目掛けて飛び掛かる。
一瞬の出来事だった。
森の中と同じ出来事を目にしている。うなじ部分の肉は削ぎ落とされ、4体の巨人は同時に絶命する。
その近くに佇むリンからは死神を連想させられた。
「(何て目ェしてやがる……)」
瞳は光を失い、感情が抜け落ちた表情をしていた。
周りは静まり返っていた。当然だ。
こんなモン見せられれば誰だって……
すぐに馬で駆け寄る
「オイ……どうした？」
此方に反応を示さない。
「！？」
咄嗟にリンの身体を支える。
「手前、大丈夫か？」
応答が無い。……気を失っている。
「リヴァーイ！何があったの！？」
ハンジ等が騒ぎ立てながら駆け寄ってくる
「気絶してやがる。さっきの反動かもしれん。」
「あの……兵長。この子は、一体…？」
ペトラが困惑した顔で聞く
「拾った。」
「え？」
「その話は後だ。急いで壁を目指すぞ。」
リンを抱え再び壁に向けて馬を走らせた。
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作者名：モノくろ | 作成日時：2018年4月5日 16時
