新作〜なおみ〜 ページ32
11時のオープンと同時に大きなガラスドアを開けると、スーツをビシッと着た男性スタッフが顔を上げた。
『あら、なおみちゃん。今日は早いわね？』
『おはよう、ケンジ！土曜日は混むかな〜と思って、早めに来たの。』
『その名前で呼ばないでったら！』
スタイリストの仕事柄、雑誌撮影でハイブランドのアイテムを使うことは多い。
時間を見つけてはショップに足を運び、どんな商品があるのかチェックするのも大事な仕事の１つだし、スタッフと顔なじみになることも欠かせない。
『こんなもの、前からあった？』
店内を回ると、小物棚にあるものが目に入る。
『それ、今日入ってきたばっかりの新作よ。しかも日本ではうちだけ！買う？』
『ううん、買わない。』
『やっぱり？』
『あはは！もし撮影で使えるようなら連絡する。』
店を出ると、同じ通りにあるいくつものブランドを回る。
数件回って時計を見ると、すでに15時に近い時間だ。
近くのカフェに入り、軽食をとりながら、ブランドショップで書いたメモを見返す。
スタッフから仕入れた最新の情報は、この業界でとても役に立つ。
メモをめくっていると、テーブルに置いていた携帯が鳴る。
ディスプレイを見ると、ファッション雑誌編集者の名前が表示されていた。
『もしもし？』
『あ！よかった〜出てくれて！』
『どうかしましたか？』
『実は旅行企画の撮影で、急に小道具が必要になってしまったんです。なおみさんなら、いいブランド知ってるんじゃないかと思って！探してるのは…』
その話を終えると、なおみはすぐにショップへ戻る。
『あら？どうしたの？』
『さっきの、撮影に使えそう！クロコの型押しのやつがいいかなと思うんだけど…』
『あ…なおみちゃん。実はそれ、さっき売れちゃったの。』
『え！もう？じゃあ…ブランドロゴのにしようかな。』
『それも…売れちゃったの。』
『うそ！』
『ほんと。先ほど来たお客様が、３点買っていかれて。』
その言葉に小物棚を見ると、確かに今、ディスプレイされているのは１点だけになっている。
『どれも在庫ないんだっけ？』
『どのデザインも、１点ずつしか入ってこなかったの。』
なおみが編集者に電話で説明をすると、あるものでいいのでお願いします！と懇願された。
『残ってるのを借りたいって。いい？』
『もちろん。ちょっと待ってね。』
ケンジがリースの書類を用意すると、なおみはお気に入りの赤いボールペンでサインをした。
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あや(プロフ) - ありがとうございました。早速読みました。この先どうなるのかとっても気になります。楽しみに更新待っています。 (2018年3月24日 7時) (
レス) id: a946e94cf1 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - あやさん» あやさん、こんにちわ！4章のパスを外しました☆ぜひ、お話を楽しんでくださいね♪ (2018年3月23日 16時) (レス) id: 78e85aba12 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ありがとうございます。待っています。パスな外れる時をドキドキしながら。私も物語の中にダイブしたいです。 (2018年3月9日 19時) (レス) id: a946e94cf1 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - あやさん» あやさん、読んでくださりありがとうございます！思いやれる相手、いいですよね☆パスのついている４のお話は、いま下書き中になっています。準備ができましたら、公開しますね！もう少しお待ちいただけると嬉しいです☆ (2018年3月7日 12時) (レス) id: 78e85aba12 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 毎回楽しみに更新を待っています。この先が、ドキドキです。パスワード教えてください。私も相手のことを思い愛される人になりたい。自分をプレゼントいいなぁ〜 (2018年3月7日 7時) (レス) id: a946e94cf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2017年12月18日 1時
