4人分 ページ33
『あの、本当にいいんでしょうか？私が行っても…』
『来てもらわないと、うるさくて仕方ないんですよ。』
そう言って笑いながら、三橋は手慣れた様子でバンを運転している。
今日は、約束していたお祝いの日だ。
昼過ぎから、家でご飯の下ごしらえをしていたところに、三橋から電話が来た。
『今から迎えに行きたいんですが…大丈夫ですか？』
『え？迎え…ですか？』
『急で申し訳ないんですが、チャンミンがどうしても、今日はAさんを家に呼びたいって聞かなくて…マンションはセキュリティもしっかりしていますし、僕としても安心ではあります。』
でも、料理が…と呟いたAに、キッチンには道具も調味料も、何でも揃ってますよと、三橋は言ってくれた。
慌てて作りかけの料理をタッパーに詰め、まだ手をつけていない食材を持ち、自分のマンションの前でバンに乗り込んだのは20分前のことだ。
『着きましたよ。』
バンはマンションの地下駐車場へと滑らかに降りて行き、決められているであろう場所へとおさまる。
車から降りて周りを見渡すと、そこにあるのは高級車ばかりだ。
『Aさん、こちらです。』
Aが持っていた荷物を横から取ると、三橋はエレベーターへ歩いていく。
『荷物すみません。ありがとうございます。』
『いえ！結構重いですね。』
『4人分だとこのくらい必要かなと思って…でも持ってきすぎちゃったかな。』
よいしょ！と言いながらエレベーターのボタンを押した三橋に、Aはそう話しながら苦笑いする。
『え、4人分？』
ポーン
ちょうど来たエレベーターに乗り込むと、三橋は右手で持っていた荷物を置く。
カードキーをかざして階数ボタンを押すと、Aに向き直った。
『4人て、もしかして僕たちの分もあるんですか？』
『はい。せっかくなら、三橋さんとユノさんもご一緒にと思って。あ…でも、何かご予定がありましたか？』
『いえ、僕は特に！今日のスケジュールはこれで終わりなので、ユノも大丈夫だと思います。』
良かったと笑うAに、でも、と言葉を続ける三橋を見つめる。
『チャンミンが怖いな。』
そう言いながらAに苦笑いする三橋に笑うと、心地よい音が、エレベーターの到着を知らせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 622人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あや(プロフ) - ありがとうございました。早速読みました。この先どうなるのかとっても気になります。楽しみに更新待っています。 (2018年3月24日 7時) (
レス) id: a946e94cf1 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - あやさん» あやさん、こんにちわ！4章のパスを外しました☆ぜひ、お話を楽しんでくださいね♪ (2018年3月23日 16時) (レス) id: 78e85aba12 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ありがとうございます。待っています。パスな外れる時をドキドキしながら。私も物語の中にダイブしたいです。 (2018年3月9日 19時) (レス) id: a946e94cf1 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - あやさん» あやさん、読んでくださりありがとうございます！思いやれる相手、いいですよね☆パスのついている４のお話は、いま下書き中になっています。準備ができましたら、公開しますね！もう少しお待ちいただけると嬉しいです☆ (2018年3月7日 12時) (レス) id: 78e85aba12 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 毎回楽しみに更新を待っています。この先が、ドキドキです。パスワード教えてください。私も相手のことを思い愛される人になりたい。自分をプレゼントいいなぁ〜 (2018年3月7日 7時) (レス) id: a946e94cf1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えむ | 作成日時：2017年12月18日 1時
