ゴールドさん。 ページ5
テレビ収録の最中に、司会の東さんが殺 された。
今や、名探偵と呼ばれる櫻井さんの目の前で。
しかも、超能力で殺 したという。
戸惑っている俺らの横で櫻井さんは、喋りだした。
「ここはドアが1つ･･･ということはこれは密室殺人と考えて良いでしょう。
そしてこの事件の容疑者は･･･東さんが倒れた時に駆け寄った、アシスタントの安西さん、東さんのマネージャーさん、ADさん、水野さんの4人です。」
え？俺も？
なんでやねん･･･何もしてないのに･･･
すると、俺の気持ちを察したかのように横にいた豊がお腹の底から声をだした。
「勝は･･･勝は！そんなことしないよっ！」
「豊･･･」
それを聞いた櫻井さんが、豊に反論する。
「･･･仲間の事なら、そう言うのも当然です。
私はあの時、東さんに駆け寄った水野さんを含む4人が容疑者としか考えられない。
小林さんが私の立場なら、私と同じように考えますよね？」
「っ･･･」
図星を突かれた豊は、悔しそうに口を詰まらせた。
確かに櫻井さんは正論だ。
あの状況なら、俺が容疑者と思われても仕方ない。
すると、櫻井さんが冷静に口を開いた。
「とりあえず、警察を呼びましょう。」
「あ！私が呼びます！」
そう言ったのは東さんのマネージャー。
カバンの前ポケットから携帯を出すと、警察に電話をかけた。
「みなさん。自分が座っていた元の席にお戻りください。」
櫻井さんの一言で皆が一斉に動き出す。
すると、櫻井さんが俯いている豊の耳元で囁いた。
何を言っているかは分からないが、その返事として豊は大きく頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
