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*
それから
走っては逃げて。
その繰り返しが永遠とも思えた。
そしてついに…
「…着いた」
「…ええ」
見慣れた家が目の前に。
顔を合わせて頷き合い、玄関に足を踏み入れた。
*
居間に呼び出され、父と向き合う形で座る。
無表情でこちらを見る父は何を考えているのか、相変わらず読めない。
…けど私は。
「…父様」
と私は沈黙を破った。
「度重なる粗相、本当に申し訳ありません。今まで父様が私にしてくれたこと、感謝しています。……ですが、結婚相手は私に決めさせてはくれませんか。…私はこの人と一生添い遂げると決めたのです。
だからどうか「…もうよい」
私の言葉を遮り、父様はそう言った。
「……連れていけ」
そして、父様は使用人に合図を送り私を部屋から連れ出させた。
「……なっ……!?」
「十四郎さん!」
……私はどこに連れられるのだろうか。
なんて、目の前の二人を呆然と見ることしか出来なかった。
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作者名:土方美零 | 作成日時:2018年10月5日 21時