真選組動乱篇 1 ページ8
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その日は外にまで声が聞こえるくらい騒がしかった。
「今日は何か祝い事かな?」
見回りから戻ってくると女中さんが忙しそうに宴会の準備をしているのを見るに、そうなのだろう。
通りかかった隊士さんに聞いてみると
「何でも、久しぶりに隊士が帰ってくるとかで朝からもちきりなんですよ」
と言っていて、誰とはよく分からないらしい。
…なんだろ。すごく気になる。
何て考えていたら後ろから歩いて来た人にぶつかった。
「わっ、すみません」
「いや、こちらこそ失礼した」
一瞬だけちらりと見えたその人の目は少し、無機質な感じを思えさせ、何故か背筋がヒヤリとした。
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「何か始まった?」
部屋で書類仕事をしていたら皆の笑い声が聞こえて来て、何やら始まったように思う。
と思ったら襖が開き、
「おい、何してやがんでぃ」
と総悟が部屋に入ってきた。
「何って…仕事だけど」
「近藤さんがお呼びでさァ」
「え、近藤さんが?」
なんの用だろうと考えを馳せていると、不意に総悟が私の手を掴み強引に部屋から連れ出された。
「ちょ、ちょっと」
「いいから、早く」
焦る私とは対照的に、そう言う総悟の顔はどこか不機嫌そうだった。
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桜葉(プロフ) - 土方美零さん» はーいっ!!楽しみに待ってます!! (2019年5月12日 3時) (レス) id: 4abc1515c0 (このIDを非表示/違反報告)
土方美零(プロフ) - 桜葉さん» 返信が遅くなり申し訳ありません。続きも楽しんでいただけたら嬉しいです! (2019年5月4日 22時) (レス) id: 4eef42f134 (このIDを非表示/違反報告)
桜葉(プロフ) - 続きが楽しみです!!更新待ってます!ペコリ((・ω・)_ _)) (2019年4月20日 13時) (レス) id: 4abc1515c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:土方美零 | 作成日時:2018年12月31日 10時