07.酒に呑まれて ページ23
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「たいすけっ、すきっ……」
キスの合間、そう聞こえた。
「俺も好き」
そう返そうとしたら、
唇がひろの唇に呑まれてしまって言えなかったけど
きっと伝わってる。
「ひろっ…、」
「ん…っ？」
「電気つけたい」
「…やだよ」
「えぇ、なんで？」
「電気つけたらガン見するだろっ」
「だって、見たいじゃん」
その言葉もまた、ひろの唇に呑まれてしまった。
言おうとしたことがわかってるから
わざと、だろうけど。
それを確かめることのできる表情は
暗いせいでわからないけど…
でも、いいや。
普段ひろからはしてくれないキスを
今、たくさんしてくれてるから
今はそれで十分。
例え、それが少し酒に呑まれた結果の
行動だとしても 俺は素直に嬉しいよ、ひろ。
「ひろ……大好き、っん」
平日の夜、酒に呑まれた恋人に呑まれた俺。
お互い別々のモノに呑まれて
ソファの上で気持ちを交えたけど、
交えた結果生まれた気持ちは
きっと同じモノだから それでいいよね？
「たいすけ……っ、もっとキス、して…」
酒に弱くはない彼がなぜ呑まれたのか、
今はそんなことはわからない。
普段の俺なら追い詰めない程度に
追及するんだろう、
けど「もっとして」なんて
甘く掠れた声で強請られてしまって。
気になる気持ちなんてどこかに吹っ飛んだ。
「ふふっ、かわい…」
「バカ。…言うな」
普段、素直になれない年上の恋人が
今は素直に求めてくれている。
今はまだ、それで十分だよね
甘えたくなったらまた、
酒に呑まれてでもなんでもいいから
甘えてくればいい。
でも…
良い意味で、俺も酒も利用して
リハビリできた後は
その時は、酒の力を借りずに
俺に甘えてきてほしいな。
「…っあ！電気付けんな！消せって！」
「ふふっ、いいじゃんいいじゃん
顔見せてよ」
電気をつけて見えた顔は
りんごみたいに真っ赤に染まっていて
大胆なことをしながらも緊張してくれてた恋人が
可愛くて仕方なくて
わーわー騒ぐ恋人を黙らせて
少し長めにキスをした。
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茉莉花(プロフ) - しおぱまさん» ありがとうございます！読者様に楽しんでいただけるような作品を目指していくのでこれからもよろしくお願いします＾＾ (2017年2月15日 0時) (
レス) id: 1e53697028 (このIDを非表示/違反報告)
しおぱま(プロフ) - 今回は短編集ということで、茉莉花さんの書く様々な藤北が見られそうで嬉しいです、！更新大変だと思いますが頑張ってください！ (2017年2月13日 16時) (レス) id: 21c0d8b98c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉莉花
| 作成日時：2017年2月13日 0時
