05.白に包まれて ページ17
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この際…もうどうにでもなれ
「…太輔は、俺の…っ、
何があっても離してやんねー…っ！」
「ふふ、よく出来ました」
何の涙だかよくわかんない涙が
ぼろぼろ溢れてきて
声を震わせながら
太輔が望むように言ったら
一気に声も力も
優しくなって また涙が溢れた。
「泣かないでよ〜」
「だれの…せいだよ…っ」
きっと第三者から見たら
タキシード姿の男二人が
教会で抱き合ってるなんて
異様な光景なんだろうけど
俺にとっては
今この瞬間が幸せでしかない。
「ひろ目腫れちゃうよ？」
「だって、止まんない…っ」
「ははっ、困ったな」
ずっと抱きしめられたまま
会話してるから
太輔の優しい声が
頭の上から聞こえてきて
すごく安心する。
「あー、衣装濡らしてないよね？ふふ、」
「ぬらしてない…、笑うな」
「ごめんね、かわいくてつい、」
メイクが衣装について
汚れないように
額だけ太輔の胸につけてたから
衣装は濡れていない。
無意識のうちに
衣装から避けててよかった…
「うー…」
何とか涙は止まったけど、
視界は真っ白なタキシードで
埋まってるし、
大好きな人の匂いに
包まれてる。
俺今すごい幸せ…
「ひろ？」
「ん、」
「俺と、結婚してください」
「何言ってんの…
色んな意味でできないじゃん俺ら」
「もう、わかってていったの、
プロポーズだけしたかったから」
「……っ、」
「あーまた泣いちゃうの？ははっ、」
大好きな人と、その匂い、
真っ白なタキシードに包まれて
俺はこれまでにないくらいの
幸せを感じている。
きっと世界一心のこもった
叶う事はないであろう、プロポーズ。
叶わなくても忘れないよ。
「ひろ、大好きだよ。愛してる」
「ん…、俺も」
誰いない静かな教会で
俺たちはふたり、キスをした。
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茉莉花(プロフ) - しおぱまさん» ありがとうございます！読者様に楽しんでいただけるような作品を目指していくのでこれからもよろしくお願いします＾＾ (2017年2月15日 0時) (
レス) id: 1e53697028 (このIDを非表示/違反報告)
しおぱま(プロフ) - 今回は短編集ということで、茉莉花さんの書く様々な藤北が見られそうで嬉しいです、！更新大変だと思いますが頑張ってください！ (2017年2月13日 16時) (レス) id: 21c0d8b98c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉莉花
| 作成日時：2017年2月13日 0時
