08.癒しをプレゼント? ページ25
.
[おつかれ、今仕事終わった
このまま太輔の家行って待ってる。頑張れよ〜]
「…頑張ってることはよーく知ってるけど。」
なんて 打ちながら、自分で苦笑いした。
「ふふっ、…ただいま」
鍵穴に差し込むとぴったりはまる
太輔の家の、合鍵。
数ヶ月前にもらった大事なもの。
よく合鍵を貰うと嬉しいって女子は言うらしいけど
もらった時、やっとその気持ちがわかった。
鍵一つもらっただけなのに、
なんとなくまた一歩近い存在になれた気がして、
なんとなくこれがあれば関係に自信がつく。
これがあれば、お互いがどんなに忙しくても
これを鍵穴に差し込んで回せば
その人の帰りを待っていることができるし、
待っていてもらうこともできる。
…関係を繋ぎとめる道具、みたいな。
まあ、一番繋ぎとめるのは結局は気持ちだけど
なんつーの?
…カタチで、繋ぎとめられるじゃん、
なんてね。
「…ん、うまくできた」
彼女がいたことはあったけど
スープなんて作ってやったことないし、
(スープの素とかをお湯に溶かしたのとかはあるかもしれないけど、ちゃんとしたのは、ね。)
俺的には、こんなに尽くして尽くされたの
あいつが初めてなんだよな…
「おかしいな、」
かわいくてキレイな子と
付き合うはずだったんだけどなぁ、
…あ、あいつもかわいくてキレイ枠か。
なんてくだらないこと考えてたら
噂の恋人が帰ってきた。
「ひろ〜、ただいま」
「ん、おかえり」
「あれ?なんかいい匂いする」
「気付いた?俺、スープ作ってみたの」
なんて、匂いの元をカミングアウトすると
荷物を持ったまま、目をキラキラさせた。
「まじで?」
「まじで。飲む?」
「飲むっ、」
「あ、その前に…」
「…っ!」
「…っ、あのさ、いつもお疲れ様。
…知ってる?30秒のハグで1日のストレスの
約3分の1は解消されるらしい……っ」
「ふふ…、それ聞いたことあって
本当かどうか気になってたんだよね」
「……ど、どう?」
「…まあまあかな」
え…
.
681人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茉莉花(プロフ) - しおぱまさん» ありがとうございます!読者様に楽しんでいただけるような作品を目指していくのでこれからもよろしくお願いします^^ (2017年2月15日 0時) (レス) id: 1e53697028 (このIDを非表示/違反報告)
しおぱま(プロフ) - 今回は短編集ということで、茉莉花さんの書く様々な藤北が見られそうで嬉しいです、!更新大変だと思いますが頑張ってください! (2017年2月13日 16時) (レス) id: 21c0d8b98c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:茉莉花 | 作成日時:2017年2月13日 0時