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明るいブラウンの耳をピコピコ動かしながら、特徴的な垂れ目を細めて二ッと微笑んでみせる彼。確かに初対面の筈なのに、俺の名前を知っているのは何故なのか。

暫し硬直する俺を差し置いて、彼は俺達に掛かっていたブランケットを剥ぎ取るなりレオナ様の脚を鷲掴み、じとりと睨み付けた。


「ちょっとレオナさん、起きてるなら早く体起こしてくださいよ。さもないとこのままずり落とすっス」


口ではそう言いながらも既に引っ張り始めている彼に、慌てて止めようと口を開くそのコンマ数秒前、あれ程解けなかった腕の拘束をすんなり外し、欠伸をこぼしながら起き上がるレオナ様。
それに続くように自身の体を起こしながらも、突然の事ばかりで上手く思考が纏まらず困惑する他なかった。


「ったく、折角気持ち良く寝てたってのに」

「この時間に起こせって言ったのはレオナさんっスよ!珍しく既に起きてると思ったらAくん虐めてるし……」

『?』


やれやれ、と首を振りながら床に散らばっていた服を集めていく彼を見て、漸くサボっていた思考回路が働き始める。寝起きのレオナ様へお水を出さなければならないのだが、先にするべき事がある為未だベッドに座ったままの彼を尻目に腰を上げた。


『そ、そこの方!』


名前さえも分からず声の掛けようが無かったものの、本来俺の仕事である部屋の整頓を寮の方にさせるなど以ての外なので、止めなければとベッドを降りる。
そのまま彼の元まで足早に向かい、その手に積まれていた服をそっと引き取った。


『これは俺がすべき事ですので、あなた様はどうぞお寛ぎください』


すぐに片付けてお茶の用意を致しますと告げれば、忽ち吃驚したように目を見開いて後退る彼。どうしたのだろうと首を傾げれば、どこか震えた声で話し始めた。


「お偉いさんの、しかもレオナさんの付き人って言うからどんな高圧的な態度で罵られるのかと思ったら……」

「オイ」


イラついたように口を挟むレオナ様をガン無視したまま、心做しか体まで震え始めた彼に大丈夫かと手を伸ばす。
と、瞬く間にガシッと音が付きそうな勢いで手を握られ、あまりの唐突さに肩が揺れてしまう俺を他所に、彼はそれだけで終わらずそのまま身を乗り出してきた。

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ぽいんせちあ(プロフ) - すぅぅぅぅ…だぁぁぁいぃぃすぅぅきぃぃでぇぇぇぇす!!!応援してます!! (2022年7月14日 22時) (レス) @page28 id: 29021d68a0 (このIDを非表示/違反報告)
- あっこれ楽しいやつだ…更新楽しみに待ってます… (2022年4月17日 9時) (レス) @page28 id: 2f1dccb094 (このIDを非表示/違反報告)
..... - とっても好きです!!更新頑張ってください!応援しています!!! (2022年1月17日 16時) (レス) id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
滅夜(プロフ) - このお話最高です!更新頑張ってください! (2021年3月30日 12時) (レス) id: f73ab42924 (このIDを非表示/違反報告)
馬と鹿 - 読みやすく何処か引き込まれる文章に感心します…。謙虚な作者の姿勢に、また尊敬の意を表したい!! 応援しております!! (2020年10月31日 22時) (レス) id: 9266b0967c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:濁瀬 | 作成日時:2020年7月13日 0時

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