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教室に戻ると、ちらほらと作業に取り組み始めているペアが目に入った。少し急いだ方がいいか、と素早く空いている大釜の元へ行く。
黒板に記されている手順を見ながら、レオナ様と共に材料の下処理をしていった。


『性質は火と光……徐々に流し込んで……』

「手元」

『はい』


性質から考えて、というより常識的に見ても今回作るのは銅鉱石の様で、指示通りの魔力で混ぜ合わせていく。途中レオナ様からの注意を受けながらも順調に進み、後は光と共に練り固めていくのみとなった。

ふとレオナ様が何か呟くと、大釜に透明な雫が落ち入る。手順には無い筈の工程に首を傾げるが、レオナ様は何を言うでもなく練り続けているので後で聞く事にし、仕上げに光の魔力を流し込んだ。
パチ、パチ、と弾ける様な音が鳴り、そっと覗き込んでみると大釜の中には既に赤鈍く反射する銅鉱石が2つ転がっていて、思わず口角が上がる。


『完成、しましたね』

「さっさと見せてこい」


分かりましたと返事もそこそこに、完成したばかりの鉱石をそっと摘んで掌に優しく乗せる。そして近くを見回っていたクルーウェル様の元へ、手元と周囲に気を配りながら向かった。


『クルーウェル様』


丁度生徒から目を離し、次のペアの元へ向かおうとしたタイミングを見計らい声をかける。


「どうした」

『完成したので確認をお願いします』


手中の鉱石をクルーウェル様に見えるように差し出せば、彼はそれを摘み照明を遮る様にして見定める。程なくして鉱石を俺の手に戻すと、驚きと感心が混ざった声色で褒められた。


「ウェルダン!素早いながら手順通りに出来ている。……仔犬のペアはキングスカラーだったな?奴に伝えておけ。鉱石(これ)はくれてやるから、精々上手く活用するんだなと」

『活用……?分かりました。有難う御座います』


一つ礼をして、次のペアの所へ向かったクルーウェル様を見届けてからレオナ様の元へ戻れば、実験の後片付けを進めていてくれた様で慌てて代わる。
程なくして用具を戻し大釜を綺麗にすれば、する事も終わり実験着を脱ぎながら一息つく。

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ぽいんせちあ(プロフ) - すぅぅぅぅ…だぁぁぁいぃぃすぅぅきぃぃでぇぇぇぇす!!!応援してます!! (2022年7月14日 22時) (レス) @page28 id: 29021d68a0 (このIDを非表示/違反報告)
- あっこれ楽しいやつだ…更新楽しみに待ってます… (2022年4月17日 9時) (レス) @page28 id: 2f1dccb094 (このIDを非表示/違反報告)
..... - とっても好きです!!更新頑張ってください!応援しています!!! (2022年1月17日 16時) (レス) id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
滅夜(プロフ) - このお話最高です!更新頑張ってください! (2021年3月30日 12時) (レス) id: f73ab42924 (このIDを非表示/違反報告)
馬と鹿 - 読みやすく何処か引き込まれる文章に感心します…。謙虚な作者の姿勢に、また尊敬の意を表したい!! 応援しております!! (2020年10月31日 22時) (レス) id: 9266b0967c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:濁瀬 | 作成日時:2020年7月13日 0時

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