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毛繕いとも言われるそれは、猫が健康を保持する為に自らの被毛を舐める行為だ。
レオナ様はライオンの獣人ではあるが前提としてネコ科なので、ごく稀にグルーミングしている時がある。
しかしアログルーミングとなれば雌雄又は雌同士で行うことが一般的で、何故雄である俺なのかといつだったか聞いたことがあった。
"親しくなるつもりのない奴とやっても意味無いだろ"
つまり俺とならば親しくなっても良いのか、と当時は喜んだ覚えがある。思えばレオナ様と過ごすことが増えたのはその頃からだった。
勿論俺は猫でもネコ科でもないが、自慢の翼がある。レオナ様の耳を毛繕いする代わりに、彼はその翼を毛繕いする。
正直な所、口の中には抜けた毛が溜まり、毛繕いを受ける翼はゾワゾワと説明し難い感覚がするのであまり好きとは言えない。
魔法で浄化すれば良いと思うかもしれないが、単純に浄化魔法が苦手なのである。
更には、必死に我慢していてもふとした拍子に翼をはためかせてしまい、その度レオナ様の顔面を叩いてしまう。
だからこそ、俺からやると言ったのは我ながら珍しいのではないだろうか。
現にレオナ様も不可解な表情でこちらを見ていた。
「どういう風の吹き回しだ？」
『レオナ様の機嫌が治るなら、何だって出来ますから』
そう言って返事を聞こうと思ったが、レオナ様の口が開くのと同時に本令が鳴ってしまう。
鳴り終わると同時に教卓に居た教師が話し始め、今返事を聞くことは叶わなかった。
「授業を始める」
静まり返った教室に先生の声が響いた。
指示された教科書のページを開き軽く目を走らせると、アカデミーで習っていた内容を前提としたものばかりで、多少ならばついていけると気を引き締める。
この先生は板書より口頭がメインなようで、最低限の単語を黒板に記しては、殆どが教科書を読み上げたり詳細を説明したりして進んでいく。
「魔法元年の翌年、魔法エネルギーが原因で起きた国同士の……」
「ンナ"ァ〜〜」
「これは次第に世界中を巡るものとなり、魔法エネルギーを発見した……」
「オ"ァ〜〜〜〜〜」
『……？？』
途中、教卓に寝そべっていた猫が何度も鳴き、その度に先生の声と被って大事な部分が聞き取れなくなってしまう。
教科書に書いてある時はまだ良いのだが、書いてないことを先生が説明している時はどうしようもない。
分からない所に印付け、授業が終わってから纏めて聞きに行こうと諦めた。
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ぽいんせちあ(プロフ) - すぅぅぅぅ…だぁぁぁいぃぃすぅぅきぃぃでぇぇぇぇす！！！応援してます！！ (2022年7月14日 22時) (
レス) @page28 id: 29021d68a0 (このIDを非表示/違反報告)
洸 - あっこれ楽しいやつだ…更新楽しみに待ってます… (2022年4月17日 9時) (レス) @page28 id: 2f1dccb094 (このIDを非表示/違反報告)
..... - とっても好きです！！更新頑張ってください！応援しています！！！ (2022年1月17日 16時) (レス) id: 4b3179590f (このIDを非表示/違反報告)
滅夜(プロフ) - このお話最高です！更新頑張ってください！ (2021年3月30日 12時) (レス) id: f73ab42924 (このIDを非表示/違反報告)
馬と鹿 - 読みやすく何処か引き込まれる文章に感心します…。謙虚な作者の姿勢に、また尊敬の意を表したい！！ 応援しております！！ (2020年10月31日 22時) (レス) id: 9266b0967c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：濁瀬 | 作成日時：2020年7月13日 0時
