伍 ページ6
『凄い綺麗だね。紅』
「ああ、そうだな」
紅の方をみて微笑めば紅も少し笑顔で返してくれる
「桜」
『どうしたの？』
「好きだ」
飾りっけのない紅らしい素直な言葉
急に紅の口から出たその言葉に目を見開くけど考える前に口から言葉が紡がれる
『うん…私も好きだよ』
ずっとずっと。初めて会った日からずっと
「俺と死ぬまで付き合え」
『……死んでからも付き合わなくていいの？』
花火なんかそっちのけで向き合い笑いながら言ってみる
「当たり前だ」
『ふふ。私、告白の言葉はもっと素敵な言葉が良かったな』
「あ？なんで飾らなきゃなんねぇだ」
多分ずっと両思いだったのだろう
言葉にしたかしなかったかの差なのだろう
けれど紅の口から紡がれたその言葉で私はこんなにも幸せになった
「…来年だ」
ぎゅっと抱きしめられ、紅の背中に手を回す
『何が？』
周りより紅は小さいけれど、やっぱり大きいなと思う
「お前が十八になるまで待てって紺炉に言われたんだよ」
『…そっか』
私はまだ十七だけれど、もう結婚はできる歳だ
でもそれは紺炉の気遣いだったのだろう
『私、結構面倒くさいよ？』
「んなもん関係ねぇ」
『…私、別に十八まで待ってもらわなくて良いのに』
「悪ぃが変えねぇぞ。最低でも俺が二十になるまでは待ってもらう…」
『！…そっかぁ』
紅の言葉に口元が緩む
私の事をこんなにも考えてくれていたと考えるだけで心が暖かくなる
『やっぱり紅はお天道様だね』
「んな大層なもんじゃねぇよ」
『んっ』
そっと口付けをされ反射的に手で唇を隠す
「これ以上は来年までお預けか」
『……これ以上はもう耐えれないよ？』
火照った頬を抑えしゃがみこむ
「言っとくが手加減しねぇからな」
『…意地悪』
しゃがみこみ悪戯に言う紅も少し頬が赤い
『花火終わっちゃったね』
「そうだな」
そっと繋がれた手に意識がいって全く花火を見れなかったけど
「お、紅ちゃん！ようやくか！式は何時だ？来週か」
「来年だ馬鹿」
「「姫ー！」」
「若に姫取られちまった！」
「姫を泣かせたら承知しねーぞ！」
元気よく目の前を走ってきた2人は紅を指さし言い放つ
「俺は悪者か何かかよ」
『ヒカ！ヒナ！ずっとどこ行ってたの？心配してたんだよ？』
「「姫に贈り物だぜ！」」
2人から渡されたのはあわじ結びの帯留めだった
『2人とも、ありがとう！』
今日は幸せな日だ
『まだ結婚してないけどね』
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雪野(プロフ) - いえいえ、よかったです(^-^) (2020年11月29日 15時) (
レス) id: 80d98c577b (このIDを非表示/違反報告)
霊来(プロフ) - 雪野さん» ごめんなさい公開するの完璧忘れてました……今公開しました。すみません… (2020年11月29日 13時) (レス) id: a7f52eeadc (このIDを非表示/違反報告)
雪野(プロフ) - ページ項目の10の次が12なんですが、11はどこにいったんでしょう...? (2020年11月29日 8時) (レス) id: 80d98c577b (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 更新楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2020年11月5日 6時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 霊来さん初めまして、続きが楽しみにしてます。応援してます。 (2020年11月3日 12時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霊来 | 作成日時：2020年10月24日 1時
