ごめんね、先生。//僕のヒーローアカデミア (ページ3)

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五月蝿ぇぞ、と弔くんが言う。

不機嫌そうに眉を寄せて、
ぼんやりしている私に言った。

ごめん、ごめんね。
怒らせちゃった。

けれど今日はとっても楽しくて、とっても素敵な話を聞いたから、お喋りしていたいんだ。
るんるん、笑っていたいんだ。

「ごめん。ごめんね、弔くん。
　それで、先生にはいつ会えるの？
　いつ、みんなで会いに行くの？」

「嗚～呼、コイツに言うんじゃなかった……
　黒霧、このメンヘラ女を黙らせろ」

「仲間に対してそんな事を言ってはいけませんよ」

黒霧さんは淡々と、
グラスを磨いてそう言った。

彼は弔くんのワガママには慣れっこで、私の想いにも慣れっこだ。
だからこうやっていつものように、あるがままに答えてくれる。

「そうですね……
　仲間が増えたら、でしょうか」

「仲間が増えたら？
　じゃあいつ？いつ、仲間が増えるの？」

「それはまだ秘密。計画はこれからですから」

「なんだ、残念。
　あーあ、先生に会いたいな。早く会いたい。
　先生に会って、見せてあげたいのに」

お皿に残ったイチゴの欠片をスプーンで潰す。
ぐしゃぐしゃにする。

真っ赤で綺麗だ。甘い匂いだ。
ちょっと酸っぱくて、何だか甘い。

先生、イチゴは好きかしら。

私は好きだよ。
先生をイチゴみたいにしたい。
そうすれば先生は、永遠に私のもの。

「個性使うの、上手になったよ。
　だから私きっとヒーローになれるよ、って」

あの時は失望させてごめんね、先生。

でも今は違うよ。
今の私、先生より、きっとずっと強いわ。

「あーあ、早く教えてあげたいなあ」

私のひとり言を聞いた弔くんは、
とても不機嫌に舌打ちをした。

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