405号車の女警察官 2

14話 ページ16

加々見 " 皆パワハラの被害に遭ってて……あんまり酷いから、岸が怒って専務を殴ったんです "


伊吹「そりゃ殴りたくもなるわぁ」


加々見は、自分が働いていた会社の専務の事を話し始めた


社員の全員がパワハラに合っていたみたいだ


田辺(妻) " 殴ってもいいわよ、そんなパワハラ上司 "


伊吹「いや、だよな、うん。殴っていいよ！」


貴(いちいち反応するのか…)


加々見 " でも岸はそれでクビになっちゃって "


伊吹「えぇ〜……」


志摩「ハッ…上司殴ったらなるな」


貴「なりますね」


伊吹「いや殴ってクビになるなら俺を殴った志摩もクビじゃないとおかしい」


貴「……」


それにしても…この夫婦の話し方……


田辺(夫) " パワハラのこと、もっと上の人に話さなかったのか？ "


志摩「……この夫婦、本当に人質か？」


伊吹「はい！話逸らしたー」


貴「凶器で脅されている人がいう言葉には聞こえないですね」


田辺(夫) " それで、岸君が専務さんを…… "


加々見 " 天誅だって、あいつは殺されても仕方のない人間だって……岸が…＿＿ザザザッ "


伊吹「あっ！！ごめっ、油断した！！」


志摩「距離〜！！」


話に聞き入っていたのか、距離が離れてしまったらしい


音声が聞こえなくなってしまった


伊吹「わかってるよ！


　 ま、今の聞いたよな、加々見は犯人じゃない」


志摩「だったらどうして逃げてるんだ」


伊吹「自分の無実を証明する為に決まってんだろ？」


貴「…わかりませんよ？


　 やってしまった事を信じたくない


　 自分はしていないと思いたいから、逃げている可能性もある」


志摩「……」


伊吹「え〜、そういうもん？」


貴「少なくとも、私が今まで見てきた犯罪者はそうでした」


伊吹「そっかぁ…」

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