13話 ページ14
−鈴side−
カラン…
父｢遅かったな｣
『あー、、ホントだ。お客さんは？』
父｢とっくに帰ったよ。拳、見せてみろ｣
『見せるようなモンじゃねーけど、』
父｢今更だろ、見せろ。、、、、また、派手にやったな。ここ以外はケガしてねぇな？｣
『おー、平気』
父｢そうか。手当てしてやるから落ち着いたら上がって来い｣
『分かった』
夏は日が長いから暗くなるのが遅い。
まだ明るいけどもう18時過ぎてる。結構な時間、外に居たんだな。
17時閉店だから当然お客さんは居ねぇ。
店を出る前にあったタバコの匂いも割れた皿も床に落ちた飯も全部消えてる。
二階に上がってくとーちゃんを視線で追いながらカウンターに座る。
ゴミを片付けた後のとーちゃんとの会話がオレは苦手だ。
どんな顔をしたら良いのか分からねぇ。取り繕ってもすぐバレる。
とーちゃんはオレがどんな事をしてるのか全部知った上で何も言わない。
良くは思ってねぇだろーけどな。オレがゴミを連れ出す時、何か言いたげな表情すっから。
人にケガさせてんのを、止められた事も怒られた事もねぇけど。
『オレが人を殺したら、なんて言うんだろ』ﾎﾞｿ
今までにないくらい怒るかもな。殴ってくるかもしれねぇ。もしかしたら泣くかも。
そん時は、もう一緒には居られねぇな。
家出て、縁切って、高校も辞めねーと。本屋のおじさんにも三田さんにもボクシングのおっちゃんにも会えなくなんなぁ。
半間とかとはどーなっかな。同じ道行きそーだけどなぁ。
どっちにしろ後戻りは出来ねーな。
まぁ、よっぽどの事がない限り殺しはしねーだろ。
よーし、考えるのやめよ。
風呂入ったら手当てして貰って飯食って寝よう。
明日は学校行かねーと。もうすぐ夏休み入るし今月はサボらねぇようにしよ。
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prrrrrr.prrrrrr.prrrrrr.prrrrr『だれ、なに、シネ』
【あは、機嫌悪ぃ〜寝てた？】
『半間か、、、』
【そう、オレオレ♡明日、じゃねーな、今日か。稀咲が話したいことあるってよ】
『学校ある』
【サボればいーじゃん】
『んー、、、ムリ』
【あー？だりぃ、、じゃあ迎え行くから早退しろ】
『おー、、』
【マジで眠そうな。まぁ、2時だし仕方ねーか】
『半間、』
【あン？】
『、、、、』
【ネコちゃん？おーい。、、寝たか。おやすみ、ネコちゃん】
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年8月6日 10時
