35話 ページ36
−昴side−
──2005年7月26日
晃｢兄さん宿題進んでる？｣
『んー、全然。どーせすぐ終わる』
晃｢昔から頭いーもんなぁ。家買ったのも家計管理してんの兄さんだし｣
『そりゃ兄貴だからな。晃の欲しいもんなら全部買ってやるよ？はい、これ帽子な〜』
晃｢え、急だな｣
『黒って熱集めんじゃん？晃は黒髪だから暑いかなぁって』
晃｢あー、そうなんかな。うん、嬉しい、ありがと兄さん｣
『どーいたしまして〜』
晃にプレゼントするの久々だなぁ。中学上がってから定期的に何かしらあげてたもんな。
素直にありがとうと言える出来た弟である。反抗期なんぞ一生こないな。
料理出来るし勉強も出来る方だし優しい。俺の弟は出○杉君か？？
俺と晃の約束は3つ。
１、法に触れる行為は禁止
２、金に関することは全て俺に任せる
３、ケガをしないこと
一つ目は晃が、二つ目は俺が、三つ目は二人で決めた。
約束は大事だ。何かしらストッパーになってくれる。
"法に触れる行為は禁止"
喫煙、飲酒、無免許運転、傷害、窃盗、殺人、その他諸々禁止。
当たり前といえば当たり前。でも不良にとってはそんなの知らねーよ精神だからな。
髪染めしないのは俺の金髪が好きだと晃が言ったから。ピアスを開けないのは俺の身体に傷がつくのが嫌だと晃が言ったから。刺青を入れないのも同じ理由。
俺にとって晃は全てだ。何よりも優先にする。
救いたい、幸せになって欲しい。その為なら未来に俺が居なくても構わない。
晃｢あ、兄さん暇なら祭り行かねー？8月3日にあるやつ！｣
『え、武蔵祭り？』
晃｢そー。あれ、ダメ？なんか用あった？｣
『んーん、ない。あ、でも途中で抜けるかもしんない』
晃｢それでもいーよ。兄さんと行きたいだけだし｣
『甚平買うか』
晃｢いらないからね｣
武道、絶対に二人を仲直りさせるぞ。
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年1月7日 16時
