31話 ページ32
−昴side−
ドラケン｢失礼します｣
ガチャ
ドラケン｢あ？｣
マイキー｢あれ、昴じゃん。何してんの？｣
『わーお、奇遇だな。この子のお見舞いだよ。君らは？』
ドラケン｢、、、様子見｣
嘘つくの下手か。まぁ、2割ぐらいは本当そうだけど。
総長くんは連れてこられた感じかなぁ。
副総長くんがここに来たのはこの子に会うためじゃないな。何しに来たんだろ。
それより早く帰ったほうがいいんだよな。この子の両親不良が嫌いだから。
『見ての通り寝てるんだ。俺も帰ろうとしてたところだから二人ももう帰ろ──』
｢何しに来たんだオマエら！！娘をこんな目に遭わせてのうのうと顔出しやがって！！帰れ！！｣
｢お父さん！！｣
バッ
｢頭なんて下げて済むか虫ケラ！！オマエらゴミのせいで娘はこんなに怪我をしたんだ！！女の子なのに顔も傷付いたんだぞ！！傷が残ったらどうするつもりだ！！｣
『、、、』
マイキー｢頭なんて下げんなよケンチン。オレら悪くねーし｣
｢帰れ！！虫ケラ！！｣
マイキー｢あ？誰に向かって口聞いてんの？｣
がっ
ドラケン｢申し訳ありませんでした｣
マイキー｢ちょっ何すんだ。オイ！！｣
ドラケン｢全部オレらの責任です｣
｢やめてください！！｣
『申し訳ありませんでした。俺がもっと早く助けていれば娘さんがこんなにケガを負うこともなかった』
｢雨宮くんまでっ、｣
｢もう、帰ってくれ。二度と私たちの前に現れないでくれ｣
『俺が御両親と話す。二人は帰ったほうがいい。どこにも怒りをぶつける所がないんだ。分かってやってくれ』
ガラッ
病室に俺と彼女さんとその御両親が残る。
俺はもう一度頭を下げた。
『今来た二人に非はないんです。アイツらを責めるのはもうしないで欲しい』
｢君は、不良じゃないと言った。あれは嘘だったのか｣
『今は違います。確かにアイツらは不良です。でも、女に手を出すようなクズ野郎じゃない』
･･･
『娘さんが目覚めたら伝えてくれませんか。俺が今日来たのはお礼の為じゃなくて君が心配だったからだと。お礼は要らない、あの日に沢山ありがとうって言ってくれたから。俺ももう帰ります。失礼しました』
ガラッ
俺ももう来るべきじゃないな。中途半端に関わるくらいなら最初から関わらないべきだった。
助けて終わり。それでいい。救えればどうでもいいだろ。
『母さん、俺はどう生きるべきだった』
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年1月7日 16時
