12話 ページ13
−昴side−
『んあ、、？』
ここ学校か、俺何してんだこんなとこで。
しかも保健室。手には消毒液？？絆創膏も持ってる。マジで何してんだ俺。
ガラッ
｢兄さん？まだ怒ってんの、、？｣
『晃、、、、、、は？』
｢やっぱ怒ってる、、、｣
『何で、ケガしてんの？晃』
｢さっき説明したじゃん。転けたんだって｣
んな訳ねえだろ。明らかに転けたケガじゃねえだろ。
殴られた跡、口も切れてる。制服も汚れまくってる。
そうだ、中二の時一回だけ晃が喧嘩したんだ。一方的にやられるだけの喧嘩。
別登校して、晃のとこ行ったらまだ来てなかったんだ。不思議に思って下駄箱で待ってたらボロボロの晃が来た。
保健室に来たのは手当てするためか。
そん時は俺何もしなかったんだ。特に追求する訳でもなく手当して終わり。
『手当てするか、そこ座って。痛いだろうけど我慢してな』
｢うん｣
『誰にやられた？』
｢だから、｣
『言い訳はしなくていい。お前をこんなにした奴を庇う必要ない』
｢、、兄さんに言ったら何するか分かんねーだろ｣
『そこまでガキじゃねぇよ。中学生か？高校生？どこの学校のやつか分かる？』
｢ヒナがいるとこの学校、｣
『溝中か、、、どこら辺？』
｢何か、広場があるところ"っ！？いっだい！！｣
『はい、文句言わなーい。しばらくは風呂しみるぞ〜可哀想に〜』
｢兄さんうざい｣
『酷いっ！まぁ、茶番はこんくらいにしてと。痣も出来てるからぶつけねえように気を付けなよ。これ以上ケガ増やすな、頼むから』
｢分かってる、そんな顔すんなよ兄さん｣
『ごめんな』
｢何で兄さんが謝んだよ？｣
『なんとなく？』
｢何だそれ笑｣
ごめんな、いつも守ってやれなくて。
痛かったよな、痛いよな。晃は優しいから例え正当防衛だとしても手を出さない。
俺はお前みたいに優しくなれない。
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作者名：翡翠 | 作成日時：2021年1月7日 16時
