14話 ページ33
─1週間後
─ワンダーステージ
司「さあ、次が最後の子供の家だ!行くぞ!」
寧々「うん。って、そんなに走らないでよね!」
類「オーケー。このシーンもバッチリだね。本番まであと1週間しかないし、このまま通し稽古に入ろうか」
類くんの言葉に司くんはおお!と声をあげた。
司「やっとここまで漕ぎ着けたな!」
A『それはいいことなんだけど...寧々まだそうとう悩んでるよね...』
類「そうだね。だけどこれは、技術的な問題じゃなく、寧々の心の問題だから、僕らが出来るのは見守ることぐらいだよ。だから今は...先に進んで待っていよう。寧々が歌だけに集中できるようにするためにもね」
えむ「でも、待ってるだけじゃやだよ!あたしも何かできたらいいのに.....あっ。」
類─それなら、失敗する前の─昔の寧々の歌い方がヒントになるかもしれない─
えむちゃんはなにか思いついたのかポツンと呟いた。
えむ「...じゃあ、昔のことをいっぱい思い出せればいいのかな?」
A『...え?』
私が質問する間を与えずにえむちゃんは寧々にねーねちゃんっ!と抱きついた。
寧々「わっ...!な、なに」
えむ「あのね、あたし寧々ちゃんのこと、もっといっぱい知りたいって思ったの!」
寧々「え?わたしのこと?」
えむ「うん!寧々ちゃんは昔からショーをやってるんだよね?どんなショーをやってたの?どんなショーが1番好き?それから......」
寧々「ちょ、ちょっと、そんなにいろいろ聞かれても答えられないってば。それに今は練習中でしょ。本番まで時間ないんだから、そんな話はまた今度に.......」
えむ「ヤダヤダ今しりたいの〜っ!おねがいおねがい!今度あたしのたい焼きあげるからっ!」
寧々「いや、たい焼きはいらないから....」
A『類くん、1回休憩挟んだら?その間に2人、話せるし』
類「そうだね。ここで1回休憩を挟もうか。その間に話をしたらどうだい?」
類くんが私の代わりに寧々とえむに呼びかけてくれた。
類「思い出話に花を咲かせるのも、たまにはいいだろう?」
寧々「...はぁ。休憩の間だけだからね」
えむ「やったぁ!」
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作者名:ゆう | 作成日時:2022年1月13日 18時