12話 ページ31
類「技術的には申し分ない。でも、彼女との大きな差があるとすれば、ここしかないと僕は思う」
司「つまり....もっと肩の力を抜いて気楽に歌えということか?」
類「簡単に言うと、そういうことになるね」
A『...歌は聞いてくれる人に届けるもの...だもんね』
私達の言葉に寧々はずっと暗い顔をしている。
寧々「そんなこと言われても......じゃあどうすればいいの?どうすればもっと気持ちを解放して歌えるの?」
類「おそらく....そうなってしまっている原因があるはずだ」
私はその時、昨日寧々が呟いていたことを思い出す。
─...もっと練習しなきゃ。絶対にアイツよりいい歌を歌って、ショーを成功させなくちゃ....!─
A『ねぇ、寧々....』
寧々「...?」
A『寧々はなんで昨日アイツよりもいい歌を歌ってショーを“成功“させなくちゃ。って言ったの?』
寧々「え...」
A『寧々が...ショーの失敗を怖がってるんじゃないかなって.....気持ちが緩まない原因はそれなんじゃないかなって...おもったんだけど...』
私の言葉に寧々は小さくあ...と声をあげた。
寧々─次のセリフがでてこない....!どうしよう、どうしよう、どうしよう....!─
寧々「でも....でも、あれはもう、乗り越えたはずなのに」
類「やっぱり、昔のことが原因みたいだね。それなら、失敗する前の─寧々の歌い方がヒントになるかもしれない」
寧々「昔の歌い方...そんなの.....」
寧々はやっぱり暗い顔をして俯いてしまった。
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司「...よし!今日の練習はここまで!全員解散!」
司くんの声がステージに響き渡った。
寧々「......」
えむ「寧々ちゃん...」
司「うーむ、どうしたものか。肝心の寧々があの調子じゃあな....」
A『...うん...』
類「...いや、きっと大丈夫だよ。寧々なら、自分と向き合うためのヒントを、自分で掴めるはずだ」
えむ「んん〜。でもやっぱり心配だな....およ?」
その時司くんのスマホが光出した。
司「ん?わ!またオレのスマホが光って─」
A『こ、この光って、セカイの─ミクちゃん達のセカイの光...』
スマホから現れたのは正真正銘ミクちゃんだった。
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作者名:ゆう | 作成日時:2022年1月13日 18時