11話 ページ12
冬弥「その言葉に、俺は背中を押してもらえた。そしてそのおかげで俺は、クラシックをやめて、彰人と出会うことができた。あの時の司先輩の言葉がなかったら、今の俺はいない。だから、司先輩は、俺を変えてくれた...恩人なんだ」
彰人「それなら、オレも感謝しねぇとな」
A『天馬くんがそんなことを...やっぱりいいとこもあるんだね』
私の言葉に青柳くんは何度か頷いてくれた。
瑞希(...変えてくれた、恩人、か。ボクも、いろいろ助けられたっけ)
冬弥「そうだ、司先輩に劇の感想を伝えないと....」
瑞希「あ、じゃあ教室入ってみる?ちょうど片付けも終わったみたいだし、会えるんじゃない?」
冬弥「あぁ、そうだな」
司「じゃあ、あとのことはよろしく頼んだぞ!オレは次に行かねばならん!」
司のクラスメイト「オッケー。お疲れ天馬くん」
冬弥「あ、司先輩...!」
青柳くんの言葉に天馬くんは振り返り私達の方へ歩いてきた。
司「おお、冬弥!よく来てくれたな!」
冬弥「さっきの劇、とても良かったです。特に─」
A『(...セリフがはきはきしてたのは良かったかな...笑)』
司「あ、すまん!急ぎの用事があるから、話はまたあとでだ!じゃあな!」
天馬くんはそれだけ言うと走って言ってしまった。
A『行っちゃった...急ぎの用事って...』
冬弥「劇の感想をしっかり伝えたかったんだが....」
青柳くんは少し悲しそうな顔をしている。すると青柳くんはそうだ!電話を!と言いながら電話をかけはじめたが、留守電になっていたらしく、しょんぼりとスマホをしまった。
彰人「まぁ、校内ウロついて探してみればいいんじゃねぇか。あんなにうるせえんだし、すぐ見つかるだろ」
A『いたるところから声聞こえてきたりするからね...ははは...』
冬弥「そうだな、すまない彰人。助かる」
青柳くんの言葉に東雲くんは少し微笑んだ。
A『私も同じショーメンバーとして感想を伝えたいんだよね...とりあえずどこから探そうか...手当り次第当たってく?』
瑞希「じゃあ─ボクも手伝おっか?」
瑞希は私や東雲くん達を見つめた。
冬弥「え?だが、暁山にそこまでしてもらうのは...」
瑞希「あはは、気にしないで。他にもいろいろまわろうと思ってたから、そのついでだよ〜」
瑞希はそう言いながらケラケラ笑った。
瑞希「それに、一緒に劇を見ようって誘ってもらえて、嬉しかったからさ。そのお礼だと思ってよ!」
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作者名:ゆう | 作成日時:2022年1月13日 18時