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その後クラスメイト何人かから挨拶をされた私は、挨拶を返していった。
少ししている間に、チャイムがなる。
あぁぁぁぁ!と叫びながら廊下を走っている流乃を心の中で嘲笑う。
流乃、桃、蘭、そして私の四人は小さな頃から仲の良いメンバー…幼馴染というものだった。
家が近く、よく遊んでいた私達は、小学・中学・高校…とおんなじ道を歩んでいた。
私達は我々高等学校の1年生。私と桃が1年5組で、流乃と蘭が1年1組。
クラスが分かれていても、昼休みに会ったり、放課後に会ったりする時間は自分達で取っていた。
そして、この学校には生徒会がある。
それもなんとイケメン集団らしく。
私達は興味がないとして、他の女子達は生徒会が通るたびに黄色い声をあげていた。
今も、大きな声で女子が叫んでいる。
チャイムがなったのに。意味のない犠牲か。
「…うっさいなぁ。」
思わず言葉に出してしまう。
教室はあまりにもうるさい。…多分、聞こえてないでしょ。
「貴方もそう思います?」
「まぁうるさ…は?」
ナチュラルに会話に入るその誰かの方を振り向く。
ジッと見つめ、そいつの名前を必死に思い出す。
なんやったっけ、この人見たことあるんやけどなぁ‥。
いやいや…。その前に聞こえてることをどうにかせな。
「…すみません、思わず口に出してしまいまして。それと貴方も早く席に座られては?」
「へー…。君、名前何?」
目の前の人は急にそう尋ねてくる。
なんで名前を聞くのか私には到底理解ができない。
「連翠和音です。何故急に名前を?」
「んー?まぁ気になってん。それじゃ、また今度話しましょね。」
「はぁ…。」
嵐のように去っていく彼を遠くから見つめる。
…やっぱ思い出せへんわ、誰やねんあいつ。
思考を停止させ、真っ直ぐ黒板を見る。
何も書かれてないから、見る意味ないけど。
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作者名:クライン | 作成日時:2021年4月4日 22時