10[スプーン]☆ ページ13
運ばれて来た美味しそうなオムライスに、思わず頬が緩む。
他の奴らはまだ運ばれて来ていない。
「いただいちゃいますね!」
語尾に星が付くくらいに明るく言って、オムライスを口に運ぶ。
…おいし、と思わず声を溢してしまう。
前世とは違う味だけど、こっちはこっちで美味しい。
私が食べ進めていると、誰かの視線を感じる。
その方向をチラッと向くと、こちらをじっと見つめるシャオちゃん。
「何見つめてるんです、シャオちゃん。」
「…美味しそうやなーって。」
テーブルに顔を伏せながら、しゃおちゃんはそう答える。
そうですかと一言返しておいて、オムライスを再び食べ出す。
まだ見られてる気もするけどまあ特に関係ないと思うからいっか。
その後、他の三人の元にも料理が届き、私より三人が早く食べ終えてしまった。
私は急いで食べようとする…けど、一向にオムライスは減らない。
「あんま急がんくてええで?Aさん。」
「いや、でも…。」
私が困っていると、隣から手が伸びてくる。
誰かのスプーンが私のオムライスを掬ったと思えば、隣からおいし、と声が聞こえてくる。
私の横に座っているのはシャオちゃん。
前にいる二人が横にいるはずはない。
つまり…
「…シャオ、ちゃん?」
「ん?どしたん?」
ゆっくりとシャオちゃんの方を向けば、笑顔…というかニヤニヤとしながらスプーン片手にこちらをみていた。
やっぱり…こいつが…!
私が殴りかかろうとすると、ロボロが口を開く。
「何しとんねんシャオロン…!どしたんやないわ!!」
「えー、だって進んでなかったやん…。」
ロボロの言葉にシャオちゃんはしょんぼりとする。
「気遣いっすか、あざす。」
私は一言感謝をして、オムライスを再び食べ出す。
食べてる途中三つのスプーンがやってきてすぐにオムライスが無くなった事は言うまでもない。
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作者名:すいーとぴー。&七味 | 作成日時:2021年2月23日 16時