第一話 始まり編 ページ2
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"彼"に生まれ変わって、"彼"の過ごすべきであっただろう世界を観て、生きてきた。
"彼"はスポーツが得意で、シャーロック・ホームズが大好きで、幼なじみを愛している。
そんな"彼"を、俺は今日も演じて生きて行く。
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「───この中に犯人が居るとでも言うのかね!?」
ある足を怪我した老人の声を合図に、俺は目暮警部の隣に立つ。
貴方「その通りですよ」
得意げにその老人を見ては、警部達から小さな声で「待ってました!」という声が聞こえてくる。
貴方「部屋は中から鍵をかけられ密室、犯人は3階の隣の窓から侵入し、窓から出ていった。
確認したところ、壁づたいに屋根に登れば2mもない。そうなると、この家の構造をよく知っている人物になる…」
「なっ!一体誰なんだね!私の家内を殺した犯人は!!」
俺はゆっくりとその老人の前に立ち"彼"がいつもしていたあのポーズをしながら、周りに聞こえるように少し大きな声でこう言った。
貴方「犯人は…
───貴方ですよ!御主人!!」
「っ!?」
「嘘!??」
ザワつく声と共に、老人は「じょっ、冗談はよしたまえ!!」と声を上げる。
それでも俺が見下ろすように見ていると、老人はそのまま大きな声をあげながら俺を見上げた。
「だいいち!ワシの足はまだ!!」
貴方「下手な演技は辞めた方がいい。
あんたの足が3ヶ月前に治ってる事は、後ろにいる目暮警部から確認済みだ……っての!!」
「なっ!?」
「主人!?あ、足が…!!」
ガッ…と老人の座っていた車椅子の下の部分を蹴り飛ばすと、よろめきながらも立ち上がった老人の姿に、メイド達が驚きの顔をしだす。
「…っクソ!!」
目暮「待ちなさいっ!!」
切羽詰まって走り出した老人。
ジジィが高校生に勝てるわけが無いのに…なんて思いながら、近くに置いてあった地球儀に手を取り───
貴方「逃がすか…よッ!!」
「んな!?…ッッ!!」
そのまま蹴ると、予定通り…老人の背中にクリーンヒット!
貴方「ナイス俺♪」
目暮「いやぁ、またしても事件を解決してしまうとは!いつもすまんのぉ」
貴方「いえいえ。また難事件がありましたら、この工藤Aにご依頼を」
なんて平和な会話をしている中、警察は倒れた老人に手錠をし、事件は解決。
…そんな高校探偵になっている俺は、どうやら明後日から子供に戻ってしまうそうで────
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ユキ(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます⊂('ω'⊂ )))Σ≡ (2020年6月12日 19時) (レス) id: 26cdda3c8d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2020年6月12日 18時) (レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキ | 作成日時:2020年6月11日 19時