第二話 ページ3
自分の机に置いてある新聞には、昨日解決した事件の内容と、その隣にある大きく映る俺の顔写真。
文字には大きく〖速報!高校生探偵、またしても華麗に事件を解決!!〗と載っていた。
貴方「(たく、"俺的には"あまり目立ちたくねぇんだけどなぁ〜)」
なんて思いながら新聞を観ていると、突然ドォォンッ…と大きな音と共に床が揺れだした。
そんな音に俺は"またか…"なんて思いながら窓を開けると……
貴方「はぁ…またなの?阿笠はかせー」
阿笠「い、いや〜…すまんのぉA〜」
見下ろした先には、案の定白衣をボロボロにしあちこちに怪我をしている阿笠博士が倒れていた。
貴方「はぁ〜…
治療するから、上がってくれ」
阿笠「め、面目ない…」
申し訳なさそうに、トホホと言いながら家に上がってくる博士に、苦笑いをして救急箱を出す。
阿笠「おぉ…相変わらず本が沢山あるのぉ…」
貴方「おーいはかせー、ここ座ってくれ〜」
阿笠「あぁ、すまんすまん」
椅子に座らせた博士の頬やおでこに消毒液を付け、ガーゼを貼ったりしていると、博士は新聞を観たのか俺の事を話し出した。
阿笠「いやぁ、矢張りAは天才的な頭脳を持っているのぉ。演技もプロ並み、オマケにサッカーの腕は一流ときた…!」
貴方「はは、褒めすぎだよ博士」
まるで自分の事のように喜んだ顔をする博士に、俺は咄嗟に目線を逸らした。
……天才なのも、演技が上手いのも、サッカーが一流なのも、全部俺じゃなくて"工藤新一"だ。
俺はその"工藤新一"のパクリ…偽物にしかすぎない。
貴方「よし、治療完了っと…
はかせー、実験したりするのは良いけど、程々になー?」
阿笠「何を呑気な事を言っておる!
ワシは早くあのメカを完成させ、日本一の大金持ちになるのじゃ!」
貴方「は、ははは……
あー、と…お、俺そろそろ学校だから行くねー…」
燃えている博士に苦笑いしつつ、棒読みでその場を逃げるように立ち去った。
てか博士、俺の声全然聞こえてねぇなありゃ。
貴方「(さてと……、次は蘭の工藤新一を演じる時間だぜ)」
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ユキ(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます⊂('ω'⊂ )))Σ≡ (2020年6月12日 19時) (レス) id: 26cdda3c8d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2020年6月12日 18時) (レス) id: 161c6e3e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキ | 作成日時:2020年6月11日 19時