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紫Side


シュートを決めるたび、
両手を上げて喜んでくれる康二が
純粋に愛おしいなと思った。


「はっ、はぁ……」


走りながらチラッと康二の方を見やると
康二はカメラをこっちに向けていて。

その顔がやけに真剣で、
あぁこいつは本当に写真を撮るのが
好きなんだなと感心した。


『ありがとうございましたー』


試合を終えて挨拶を済まし、
康二の元へ行こうとしたら
さっきまでいたはずの康二がいなかった。


「あれ…?」

「どーした?」

「いや、康二いないなって…」

「あれ?お前聞いてないの?」


途中でサッカー部の試合見に行く約束してたじゃん、目黒と。

さらりと言われて思わず固まる…


「え…めめ?」

「うん。あれ?目黒から聞いてねぇの?康二からも?」

「…サッカー見に行くぞ」

「は?」


別に、康二をめめに取られたから
腹を立てているというわけではない。

ちゃんと試合見てくれたわけだし…。

でもさ…

めめも康二も、
一言くらい言ってくれても良くない?

特にめめは俺の気持ちを知っているはずなのに…


「間に合わねぇと思うけどな…」

「てか康二いつからいなかった?」


ライバル校との試合だったせいか
あまりに白熱しすぎて途中から
あまり余裕かまして康二の方が
見られなかったんだよな…


「知らね。でも電車乗らなきゃだしわりと早かったんじゃね?」

「そう…」

「大丈夫だって…。ほら、行くんだよ?急げよお前」


凹む間もなく翔太に急かされて
めめのいる試合会場まで向かう。

でももう、着いた頃には試合は終わっていたし
人もあまり残っていなかった。


「…あ、いた」

「ほんとだ。」


そこにいたのは康二と、
康二に膝枕されているめめ…

その光景に胸がぎゅっと痛んだ…

何やら楽しそうに話す二人を、
俺は直視できなかった。


「…っ」

「…大丈夫か?」

「……あぁ。」


普段は康二のことで俺のことをからかったりするくせに、
こういう時だけは真剣な表情で心配してくれるんだな。

でもごめん翔太、

今はそっちの優しさの方が辛いんだわ…


「あ。ふっかさんやん!ふっかさーん!しょっぴー!」

「あ…」


見てられなくて帰ろうと思ったのにばれてしまった。

でも、ちゃんと俺を呼んでくれた康二に
何だかとてもホッとした。





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真夏野スピカ(プロフ) - 美音さん» コメントありがとうございます!可愛く書けているか不安だったのでそう言ってもらえて嬉しいです(笑)更新頑張りますね♪ (2020年12月6日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - mitsuさん» コメントありがとうございます!やっとnbさんを落とせました(笑)更新頑張りますね(^^) (2020年12月6日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
美音(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく拝見させて頂きます!無自覚な康二くんが本当に可愛らしい!モテモテ3b組を惚れさせてしまうとは!流石康二くんです(*^^*)この話を読んでると、もういっその事皆と付き合ってしまえ!と思ってしまいます(笑)無理せず頑張ってください! (2020年12月5日 1時) (レス) id: 9de8645e39 (このIDを非表示/違反報告)
mitsu(プロフ) - はじめまして!はじめからずっと楽しみにして拝見させて頂いています!nbさんはkj君を好きになる日がくるのだろうか・・・と思っていたのですが、ついにこの日が!笑この2人とても好きなので、続きがさらに楽しみになりました! (2020年12月5日 0時) (レス) id: 9dabb44cad (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - ゆきみ島さん» コメントありがとうございます!無自覚可愛い!伝わって嬉しいです(笑)更新頑張りますね(^^) (2020年11月30日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真夏野スピカ | 作成日時:2020年11月19日 0時

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