難攻不落の向井くん

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白Side


―好きなタイプは？


もう何万回と聞かれてきたであろう質問に
バレないようにため息をつく。

ライターさんには悪いけど
そんな質問代わり映えしなくない？


「じゃあまずラウールくんから」

「あー…。僕はまぁ一緒にいて楽しい子ですかね？」


もはやテンプレとなった適当な返しに
ライターさんは真面目な顔でうんうんと
頷いてくれて少し胸が痛んだ。


「じゃあ目黒くんは？」

「俺は…」


やっぱり前言撤回。

代わり映えしないなんて言った
数秒前の自分を殴ってやりたい。


「…ギャップに弱いかもっすね。いつもにこにこしてる子が急に真剣な顔した瞬間とか。あと素直な子。純真無垢な子は守ってあげたいっすね。あと方言とかも好きかな。関西弁とか結構良いっすよね。でもまぁ好きになった人がタイプっす。」


隣で甘い顔してインタビューに答えるめめに頭を抱える。

いつも好きなタイプを聞かれたら
特に無いですって答えてたくせに、
それはさすがに分かりやすいよめめ…。


「そうなんだ…。じゃあ次ね」


ほら、ライターさんも目をまんまるにして
びっくりしてるじゃん。


―友達と好きな人が被ったらどうする？


「じゃあ次は目黒くんからにしようかな」

「あー…。正々堂々と戦いますね。友達も大事だからこそ変な遠慮はしないっす」

「なるほど。ラウールくんは？」

「僕もそうですね。」


めんどくさくて適当にめめに合わせる。


「じゃあ次は…」


―嫉妬はする方？


「ラウールくん」

「するっちゃするししないっちゃしないですね」

「目黒くんは？」

「めっちゃします。好きな人が俺以外と楽しそうにしてたり俺以外のこと見てるだけでしんどいっすもん。…誰にも触れさせたくないっすね」


数多の雑誌のインタビューで
嫉妬はしない、しても2％程度って
言ってたのに…

ねぇめめ、この雑誌発売されるって
ちゃんと分かってる？

こんなの、好きな人が出来ました！って
自らバラしてるようなもんじゃん…

ねぇバカなの？

あなた、超絶人気モデルだって自覚ちゃんとあります？


「目黒くんもしかして…」

「よしっ！これでインタビュー終わりですよね？さっ、早く撮影始めましょ！」


尻拭いをするのはいつも俺なんだから、
本当にそろそろいい加減にしてよね…





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