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柴田が私の後ろをついてくるので気にせずそのままいつものように家に入れた。
「 …Aの好きな人ってとしみつ? 」
やっと口を開いたと思えば私が今悩んでいることをズバッと当てた。今日の朝も不機嫌な態度をとられたし、なんで柴田に教えなきゃいけないのか。謎の反抗心が生まれた。
『 ……柴田には関係ないよね 』
私は柴田を少し睨むように言った。
次の瞬間、柴田は私の両腕を掴んで壁に押し付けた。
「 っ、関係あるよ 」
柴田は下を向いていて表情は分からないが、手が震える程に力が籠っている。気付かなかった。よく見ると柴田の腕は私の腕の二回りほども太くて、座った状態でも分かるくらい体がしっかりしてて大きい。
当然それで力を込めて掴まれてる腕は凄く痛くて今にも血が止まりそうな位だ。
『 いたいよ、っしばた… 』
柴田が怖くてさっきまで我慢してた涙が溢れてしまう。それを見た瞬間柴田はハッとしたような顔をしてすぐに離してくれた。
「 ごめ、っ…ほんとにごめん 」
『 大丈夫、ごめん私こそ大袈裟で… 』
涙を止めようとするけど止まらなくて、柴田はそれを見て眉を下げた。
「 "頼ってよ"って言ったのに…、本当にごめん。」
柴田は立ち上がるとそのまま部屋を出ていった。柴田が私の部屋に戻ってくることは無かったし、柴田の部屋の電気が着いたのは夜遅くだった。
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作者名:*ふらん* | 作成日時:2021年3月29日 2時