ヘタレくん . (ページ17)

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柴田と適当に話していると家に着いたので解散しようとすると引き止められた。

柴「今日Aの家寄ってもいい？」

『え、いいけど… 』

ゲームしようよとかじゃなくそうやって言ってくるのは始めてだから、何故か昨日のことを思い出して恥ずかしくなった。

柴「部屋変わったね」

『前よりシンプルにしたの』

高校二年になるから模様替えをしたくなって、派手な柄のカーテンや置物は全部シンプルなものに変えた。
柴田が少し寂しげな顔をするからクローゼットから大きい猿を取りだした。

『これはちゃんと取ってあるよ笑』

中学の頃に悪ふざけで買った大きい猿の置物。無駄に幅をとるし今でもなんで買ったのか謎だけど柴田が異常に気に入ってる。
いつものはにかんだような笑顔をするから真似すると、軽く叩かれた。

『私今から勉強するけど柴田はどうする？』

柴「じゃあ俺も教科書持ってくるわ」

そう言って窓を開けて自分の部屋に飛び移ろうとするから首根っこを掴んで止めた。

『玄関からでお願いしまーす』

柴「ちぇー」

ちょっと意識しちゃって、対応がいつもと違ったかもしれない。柴田は覚えてないのかな、体調悪かったし忘れちゃってるよねって自分の都合の良いように解釈した。

丁度スマホが鳴ったので、LINEを見るととしみつだった。

としみつAの家どの辺?

A柴田の家の隣だよー

としみつえ、幼馴染とかそういう?

Aそうそう、幼稚園から一緒だよ

話してなかったっけ。

柴田が戻ってきたので、スマホをやめて勉強を始めた。

柴「なんの勉強してる？」

『一年生からの復習してるよ』

柴「やばぁ、俺も頑張ろ」

本当に私と一緒の大学目指すの？
その問いは声になる前にやめた。

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