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「あ、俺です。ちょっと外しますね」
足音を立てないように静かに駆けていった。
その後ろ姿を送る。
夜さんに電話となれば今日やる予定だった仕事が入ったとか、その問題の先輩から、とかかな。
「私がいけなくてもAちゃんが行って様子を見るだけでもいいのだけどねぇ…」
「いつでも暇ですけど…チケットが、」
手に入りませんよね、という言葉を私は噤んだ。
夜さんがすごい勢いで入ってきた来たからだ。
「ち、チケット！取れました！！それもメンバー全員分…」
後半は聞かなかったことにしよう。
なぜにメンバー全員分なの？
「さっきの電話はうちのリーダーからだったんですけど、まぁその人の事情でチケット取れたんです」
「本当に！？夜君、ありがとう。さすがあのバカ息子の親友なだけあるわ」
それ陽にぃのこと思いっきりバカにしてるよね？
握手会に行ったとき親子喧嘩始めなきゃいいのだけど…
「で、Aちゃんはどこに行く？夜君？」
「え、俺…！？」
「えっと…私よくわかんないので…」
そうして私は残りの５枚を裏返し、シャッフルして直感で一枚を引いた。
「しもつき…」
「Aちゃん…隼さんのとこ！？」
「はい、どうしたんですか？そんなに青ざめて」
「さっき電話してたうちのリーダーでグループＮＯ．１の問題の人…」
リーダーが問題の人だったのか。
そして私はその人に会わなくちゃいけないのか。
気が重い。
恨むぞ、私のくじ運を…
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作者名：塩キャラメル（□‐□）なのだよ | 作成日時：2016年9月1日 22時
