【HQ】可愛すぎ 〜その顔、他の男に見せんなよ〜

田中 龍之介 ページ41

｢今日も平和に過ごせますよーに｣

｢俺は大仏じゃねぇよ｣

｢いだっ｣


ボケだよ、ボケ。
ったく、ひどいなぁ。
毎朝の日課は大仏拝みという名の田中拝み。
いやね、話すきっかけ作り？


｢毎朝欠かさねぇよな｣

｢日課だからね｣

｢これ来年も続くのか？｣

｢そうだね｣


田中と私の頭脳が覚醒しない限りそうだろうね。
だけどこれも来年まで続くかどうか…。


｢俺は別にいいけどな｣

｢何で？｣

｢何でって…その、な…お前と話せるからいいんだよ！｣

｢どうしてそう言う事言えちゃうかな｣


赤くなった顔をバレないように俯いて隠す。


｢好きだからだよ…悪いか？｣

｢…悪くないし｣

｢じゃあきっかけ無くても話そうぜ｣

｢…うん｣


最後まで顔を上げないつもりだったけど興味本位で田中がどんな顔しているか気になった。
少し顔を上げるとそこには同じくらい赤い顔をした田中。


｢ば、バカ！何で顔上げたんだよ！？｣

｢ふっ…あはははは｣


思わず吹き出した。
すると田中はグッと顔を近づけた。
距離は数cm…唇が当たりそうなくらい。


｢唇奪うぞコラ…｣

｢奪ってもいいけど…？｣


すると田中は少し驚いた顔をして意を決したように私の頬に手を添え、キスをした。
初めてのキスは少し甘い気がした。

縁下 力→←西谷 夕

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