【 HQ】Happy Birthday. My honey.← (ページ8)

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あと4日！？ページ8

昨日は部活を休み、家に帰った。
病院に行こうにも重体で面会すら出来ない。
それに掛ける言葉も見つからない。

｢早く…会いたい…｣

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｢英、おはよ！｣

｢おはよう、A｣

朝練で顔を合わせるといつも明るく挨拶をしてくれた。
それが朝一の至福だ。

｢英！｣

｢あーきーらー！｣

１日に何度も名前を呼ばれ、振り向く度に鼓動が高鳴る。
Aの隣に居られて幸せだ、って何度も思う。
名前を呼ばれ、俺も名前を呼ぶ度にAは嬉しそうな顔をする。

なぁ、いつになったらまた、笑ってくれるんだ？

ぐにゃりと視界が歪み、場面は病院。
Aのいる病室に空虚な機械音が鳴り響く。
それはAの心肺停止を告げていた。

｢嘘だ！…A！お願いだから、また名前呼んでって…｣

俺の目から零れ落ちた涙がAの白い肌に落ちた瞬間、脳に直接響くような声が聞こえた。

｢―――さよなら｣

｢う、うわぁぁああっ！！｣

･

･

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｢っ…！！ﾊｧﾊｧ…ゆ、夢？｣

3月下旬の春にも近い風がどこからか入ってきた。
ベットから抜け出し、自室を出る。
…暑い。

｢英？…熱あるじゃない！今日は学校休みなさい。Aちゃんが元気になった時、英が体調崩してたらショックよ？｣

母さんの冷たい手が俺のおでこにひんやりとした感触を伝えた。
…もうダメだ、Aが居ないと俺は死ぬ。
比喩なんかじゃない、本気で思った。
また自室に戻り、直したばかりのベットに横になる。

｢学校にも電話しておいたわ。溝口先生も心配してたわよ｣

お粥と冷水の入った桶にタオルを持って来た母さん。

｢ごめん…｣

｢気にすることないの。子供が迷惑かけるからこそ親は親でいられるのよ。薬は食器片付ける時に持ってくるから安静にしてなさい｣

昔から母さんはこうだ。
いつまでたっても反抗期を迎えないのは母さんのおかげだろう。
久しぶりに食べた母さんのお粥は懐かしく、身心共に落ち着かせてくれた。

しばらくして薬を持ってきた母さんにお礼を言って大人しく寝ていた。

｢もう…大人になっちゃって｣

部屋を出た母さんが嬉しそうにニコニコ笑っていたことを俺は知らない。