三色 ページ3
放課後には私が死ぬかもしれないと言うのに、
神様はとても残酷で。
放課後なんてあっという間だった。
ガララッと
教室に入ると
山田がこちらを少し睨んできた。
(くっそ怖ぇ...)
二「おせェよ。」
「す、すみません....
お手洗いにいってて...」
二「じゃ、ついてこい。」
「え？えっと、
どこいくんですか...??」
二「あ"？
学校案内に決まってんだろ。
転入生なんだから校内覚えてねェだろ！？」
「あ、はい。
お気遣いありがとうございます....」
なんだよ。
びっくりした、臓器売買でもさせられんのかと思った。
二「ここが理科室。
まだ入ったことないけど。」
(どうゆうことだよ。)
は？時刻表に週三で
理科の授業入ってるんですけど？
「じゅ、授業には出ないんですか？」
二「めんどくせーし。」
「そ、そうですか...」
山田が
私より少し前を歩いて学校案内をする。
山田の真っ白な帽子や上着が
やたら夕日に照らされて、
少し目が痛い。
二「...お前、さ。」
「なんですか？」
二「小学校、ここの近くの小学校だったか？」
「？
はい。」
二「....やっぱり」
山田が小さくポツリと
呟いたけど、なんて言ったかは聞こえなかった。
まぁ、聞こえなくても今後の学校生活に
影響はないか...
二「俺、
お前とガキん頃友達だったわ。」
「....は？」
二「一年の頃からずっとクラス同じだったじゃねーか！！」
山田がこっちに詰め寄ってくる。
二『Aーっ！
今日俺ん家でゲームしようぜ！！』
私の脳裏には、
小学生の頃やたら私に懐いていた
少し馬鹿な綺麗なオッドアイの少年が浮かんできた。
「...じ、二郎...くん。」
それは紛れもなく、
私の目の前にいる山田二郎だった。
二「思い出したか？」
"二郎くん"は私の目をしっかりと捉えて、
ニッと口角を上げてみせた。
二「よろしくな。」
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作者名：幻想曲の演奏 | 作成日時：2018年12月9日 21時
