男装少女の真の姿はお嬢様 (ページ18)

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58話ページ18

ウィリアムが外交として、我々国に来てから、１ヶ月が経つ。
また、サナの怪我も治り、訓練から復帰した時でもあった。

我々国にある一通の手紙が届く。それは、シリオン王国からの物で、ウィリアム宛だった。

gr「ウィリアム王子を呼んだのには、訳がありましてな」

グルッペンはそう言い、一通の手紙を前に出す。

wi「これは……父上からですか」
gr「あぁ、そうだ」
wi「読んでも？」
gr「いいゾ」

ウィリアムは封筒を開け、手紙を読む。そこにはこの様な内容であった。

【ウィリアム、いつまで外交しているのだ

もう１ヶ月経つんだ。我々国の弱点は知れたのか？

いつまで、のんびりしているつもりだ！

早く帰って来い！いいな？】

ここで手紙の内容は終わっていた。

gr「ウィリアム王子は帰るつもりは無いのか？」

静かだった総統室に、響き渡ったのはその一言だった。

何故か、ウィリアムが呼んでいた手紙を見抜いたようにそう言ったのだ。

wi「何故、そのような内容だと分かったのですか？」

gr「勘だ。図星か？」
wi「えぇ、そうです。父上は早く帰って来いとの事で……俺は此処に居たいのですが……」

gr「居れば良いじゃないか。それと、この1ヶ月、サナの事が分かって来たのでは？」

wi「仰る通りです。

サナは王女であるのに、この国の幹部で、この国の人達みんなの事を大切に思っています。

この短期間で分かったのは、周りに目配りができ、誰からも頼られ、愛されているのだと…

俺が見て来たサナは外側だったという事も知ることが出来た……

俺は、もっとここに居たい！」

gr「……良いだろう。だが、ルーク王とはいずれ、その事について話すことになるだろうな」

wi「分かっています。覚悟の上です」

gr「そうか……用件はこれだけだ。戻っていいゾ」

wi「失礼します」

ウィリアムはそう言い、総統室を出た。

その後、ウィリアムは、幹部は誰もが利用するスペースへと歩いた。

そこに人影が見える。暗くて誰なのかは分からないが、丁度月明かりで、明るくなり照らされた。

そこに居たのは、－－－－だった。

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