買って来い! ページ13
Aside
「え・・・あ、一個!!そういえば一個まだ残ってる筈・・・」
谷崎さんはほっとしたように笑いながら袋の中を確認する。が、袋は空っぽだった。
だって、だって、その一個は。
「ごめんなさい・・・私、食べちゃいました」
私が食べてしまったのだ。
「えぇ!?いつの間に!?」
谷崎さんの顔は絶望していた。
「余ってたのでつい・・・。」
気まずいというか・・・凄い罪悪感。
乱歩さんもえー、と言いながら私を見ている。
「じゃあA、買って来て!僕の分のたい焼き!!」
「え・・・」
突然の発言に固まる私。
「だって僕の分食べたのはAなんでしょ?だったら当たり前じゃないか!!ほら、僕のたい焼きー!早くー!」
子供のように喚く乱歩さんの強引さに、何も反論できず、そのまま外へ出て行った。
.
遊んでいる子供達の声が聞こえる。太陽は昼間の明るい光ではなく、夕方、沈む前の幻想的な光で空を染めていた。
「はぁ・・・。乱歩さん、餡子とクリームどっちがよかったかな。一応どっちも買ったけど・・・」
紙袋を覗き込む。中には、たい焼きが四個入っていた。餡子とクリーム、それぞれ二個ずつ。
「・・・早く戻ろう。」
紙袋を持って歩き出す。探偵社はまだ遠かった。
.
「ん・・・美味しいねこれ!」
乱歩さんにたい焼きを渡すと、すぐに受け取って一個食べてしまった。
喜んでもらえて安心した。だけど疲れた・・・。
今日は早く帰って寝れるかな、と思い敦さんの方を見る。
・・・山積みの資料と格闘しているようだ。忙しそうに動いている。
帰れないことを悟って、倒れそうになるのを、なんとか堪えた。
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のこ太(プロフ) - カナさん» カナさん、ここまで支えてくださって本当にありがとうございました!!応援が思ったよりも励みになることを実感させられましたよ本当に。カナさんの方こそ、お体に気を付けてお過ごしください(^-^)/ありがとうございました!! (2016年12月25日 20時) (レス) id: 62fcbd0269 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - お疲れ様でした! (2016年12月25日 20時) (レス) id: 4007a8bca9 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 完結おめでとうございます!少し寂しいですが、これからも体には気をつけて過ごしてくださいね、 (2016年12月25日 20時) (レス) id: 4007a8bca9 (このIDを非表示/違反報告)
のこ太(プロフ) - こどくなおうじ。さん» ありがとうございます!頑張りましたよ・・・。結構グダグダしたとは思いますが、ここまで読んでくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます!! (2016年12月25日 20時) (レス) id: 62fcbd0269 (このIDを非表示/違反報告)
こどくなおうじ。(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2016年12月25日 20時) (レス) id: 49348a965b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のこ太 | 作成日時:2016年9月17日 21時