ネコ科の同居人 その2【文豪ストレイドッグス】

優しい人 ページ2

敦side



かごめかごめ
かごの中の鳥は
いついつ出やる
夜明けの晩に
鶴と亀とすべった
うしろのしょうめん
だあれ





誰かの歌う声が聞こえる。





目を開けると、Aが歌いながら料理を並べているのが見えた。





「おはよう」





声をかけると、Aは少し驚いたように振り向き、やがてふんわりと笑った。





「おはようございます。今日はいつもより少し早いですね。遅く寝たはずなのに」





「Aが歌ってたからかな・・・。ところで、なんか機嫌良いんじゃない？」





Aの様子を見ていると、歌ったりなんとなく楽しそうに見えたりといつもと違う事が多い。





「うふふ、実は昨日散歩した時に優しい人に会ったんですよ！」





「へぇ。もしかしていきなりいなくなったのもそれ？」





何気なく言った一言だったけど、Aは気まずそうな顔になってしまった。





「あ・・・そういえばそんな事しましたね。ごめんなさい。」





「あ、いや・・・へ、平気だから！謝らないで！」





頭を下げるAに、慌ててしまう。





「それに、優しい人に会えたんならいいんじゃないかな。Aも嬉しかったんでしょ？」





自分で言って、ふと優しい人って誰の事だろうかと疑問に思う。





「ねぇ、A、その優しい人って・・・」





聞いてみようと思った時、Aがあっと声をあげた。





「お味噌汁！作ってない！」





台所へ駆けていくAを、見つめる事しか出来なかった。





・・・まぁいいか。本人が嬉しそうなら。





優しい人の事は忘れる事にして、僕は布団から出た。





+++
Aちゃんの選曲センス・・・。まぁ私が選んだんですけど((

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