ご対面 ページ8
春千代 パンダ…
「…ひゃ、ひゃああああ！！」
ドアを開けるとそこには上半身パンダ柄のブラで着替えをしているAがいた。そいつの体はハニトラのプロとは思えないような貧相でも豊満でもない体だった。むねがD位で腰回りは痩せ細っていた。
春千代 …着替え終わったら呼べ。帰るから。
「…はい。」
気まずくなりそう言い残し俺は外に出た。初めて見たそいつの体は人並みより細く、白かった。何も知らない純粋無垢そうな女。俺が一人で考えていると「あの…お、終わりました…」と聞こえてきた。ドアを開けようとするとバタンッ！と何かが落ちる音がした。
春千代 ど、どうした！？
勢いよく病室を開けるとベットから落ちたAがいた。恐らく車椅子に座ろうとしてそのまま崩れ落ちたんだろう。
春千代 はぁ…何でそうなってんだよ。
俺が呆れながら言うと「へへ…すいません。マイキーが足を治す手術って言ってたからもしかしたらな〜って…」ヘラヘラ笑いながら俺に謝る。
春千代 馬鹿か。手術してもすぐ歩ける訳ねえだろ。リハビリを繰り返してやっと歩けるんだよ。
一生懸命に動こうとするAに「やめろ」と言いAを抱き上げ車椅子に乗せる。その時抱き上げたAは羽根のように軽かった。
春千代 それじゃあこれからアジトに向かう。大人しくしてろよ。
「はい…」
Aの乗る車椅子を押し、春千代は少し急ぎながら車は向かう。今回も車を運転するのは春千代だ。マイキーからは「12時までにアジトに連れてこい」と言われているため手荒い運転になりつつもマイキーの大事なお姫さまの事を気にしながら運転をする。その為アジトに着く頃にはすっかり疲れ切っていた。
「あの…大丈夫ですか？」
春千代 ああ？…ああ。平気だ。行くぞ。
春千代はゆっくりホテルの最上階へ向かう。さっきマイキーから仕事が長引いているから少し遅れると連絡があったため少し余裕が出来た為Aに幹部メンバーを紹介する為メールを打っていた。
春千代 おいA。
「はい。何でしょう？」
春千代 これから会う奴らは頭が逝かれている。だから注意しろよ。お前に何かあったら全部俺らのせいになるから。
「分かりました。(そんな危ない人たちなの？)」
春千代 おいお前ら連れてきたぞ。
そこにはAが初めて見るようなとても顔が整っているイケメン達がいた。
「(この人達が危ない人達なのかな？そうには見えないけど)」
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作者名：曼珠沙華 | 作成日時：2021年9月11日 21時
