納棺師とメイド(2) ページ3
ドアを開けた先には、銀色の髪にマスクを付け、シワ一つ無い灰色の洋服を身に付けた男性が居ました。
片手には荷物が詰めこまれているであろう、大きめのバッグ。
予想通り、新しいサバイバー様だったので、わたくしは笑顔を浮かべて
「新しい方ですよね!どうぞお入りください」
と、声を掛ける。
すると、その方は戸惑いながらも小さく返事をし、身を縮込ませながら館の中へと足を踏み入れました。
「わたくし、シャルロット メイスと申します。この館の家事全般を全て行っている者でございます」
そう言い、ロングスカートの裾をクイッと持ち上げ、いかにもメイドらしい礼をする。
けれど目の前にいる方からの反応は得られず、そのまま言葉を続けることにしました。
「お名前伺っても宜しいですか?」
その方の目を真っ直ぐに見て、そう言いますと、目が合った途端サッと目を伏せてしまいました。
人見知りなのか、わたくしみたいなタイプが嫌いなのか、恐らくそのような方なのでしょう。
「あ……や、えと……イ、イソップ カールといい、ます」
少しつっかかりながらも、わたくしとは非対称的な小さな声でカール様はそう言い、小さく頭を下げました。
服装からも思いましたが、カール様はとても礼儀の正しい人なんでしょう、と感じたのを覚えています。
「カール様ですね。お部屋に案内しますのでどうぞこちらへ」
なるべく声が通らないようにと、落ち着いた声でそう話しますと、カール様は小さく頭を下げられました。
歩き始めるとワンテンポ遅れて、後ろから靴を一度も擦らないような規則正しい足音が聞こえ、歩き方までもが礼儀正しい、と感じました。
何か人に敬意を払うような仕事をしていたのでしょうか。
そう考えているうちに二階に上がると、左廊下の突き当たりの今朝掃除したばかりの部屋に着きました。
「カール様のお部屋はここです。鍵お渡ししますね」
スカートのポケットの中から小さな鍵を取り出し、カール様の手へと手渡しをする。
「右の部屋はイライ クラーク様のお部屋です。職業は占い師で、彼の占いはかなり的中するらしいですよ」
わたくしはやってもらったことありませんけど、と笑いながら付け加えましたが、カール様の表情は変わる気配なし。
それどころか、心なしか目が泳いでいるような。
この時はただの人見知りなのか、人嫌いなのか、まだ分かりませんでしたから、礼儀正しいけれど愛想のない人と自分の中で思い始めていました。
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クラゲ - かなさん» ありがとうございますぅううう、カールさんいいですよね!!!これからも思わず「あっすき」って思ってもらえるような、カールさんを届けたいと思います! (2019年1月8日 8時) (
レス) id: 3c69fa9e74 (このIDを非表示/違反報告)
クラゲ - ばーなむさん» わかる方がいた……!!いやでもそれでも全然読めますし、好きなんですよ!?(笑)更新がんばりまーす!! (2019年1月8日 7時) (レス) id: 3c69fa9e74 (このIDを非表示/違反報告)
かな - わかりますぅううう、自分もカールくん納棺師大好きです！！！ (2019年1月8日 1時) (レス) id: fee1acccec (このIDを非表示/違反報告)
ばーなむ - よその子イソップ変態説わかります笑がんばってくださーい！！ (2019年1月8日 0時) (レス) id: 4118952222 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クラゲ | 作成日時：2019年1月4日 22時
