▼好きと伝えた日▼名前変換オリジナル

19話 ページ19

あの後も色々言ってみたけど、全部ハズレ。

完全にお手上げだ。
晴は言う気配なんて無いし、そろそろお風呂にも入らなきゃいけない時間だ。


［じゃあもういいよ、聞かないし知らない。］


そう送ってお風呂に行こうとすると、通知音がなる。


［逆に聞くけど俺の第一印象なんだったの?］


　その言葉を見て、駄目な私は揺らいでしまう。
結局この会話が終わったら止めよう、という結論に至る。
我ながら、晴にはとことん甘いって思った。


［ウザい男子と絡んでるデカくてうるさいヤツ。
正直嫌いだった時期もあったよ。］


送ってから気付いたが、嫌いだった時期を言う必要って無かったよね?
好きな相手に言う必要って無いはずなのに、なんで言うんだ私。
　今更ながら、自分が恋愛下手くそかも知れないと思い始めた。


［その第一印象もそこそこ気になるけど、嫌いだった時期があるってことが一番気になる。
嫌いだった時期っていつ?］


　やっぱり言うべきでは無かった。
気にしてる、かなり気にしてらっしゃる。
そりゃあ友達と思っていた人から、そんなこと言われたら傷つくに決まってる。

　一応言うだけ言わないと。
そして、今は嫌いじゃないと証明しなければ。


［小3辺りだよ、出会ったばっかりの頃ね。
ウザい男子と絡んでたから、晴もそんなヤツなのかと思って。］


［酷い偏見］


［ごめんってw話してみたら普通に面白くさ。
ガキみたいな男子達と違ってたから、仲良くしたいなーって思って。］


そこまで打って思わず口から、ふぅ、と声が漏れる。

弁解成功……だと思われる。
これで嫌われたら悲しすぎる結末。


［あーそういうこと。じゃあ今は嫌いでは無い?］


［うん、嫌いじゃないに決まってる。
嫌いだったら、連絡なんて頻繁にしないよ。］


むしろ好きだよ、と心の中で呟く。
一生伝えないであるだろう気持ちを胸に抱いて、自然と目を細める。
　その後はお風呂に入ってくると伝え、部屋を後にした。

20話→←18話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す