▼好きと伝えた日▼名前変換オリジナル

12話 ページ12

私は馬鹿だ、自ら自爆しに行くなんて。


「え……なんで教えなきゃいけないの?」


晴は驚きの表情を隠せずにいたけど、好きな子が居ることについては、否定しなかった。

＿＿やっぱり居るんだ。


「だって私がその子と仲良くなって、晴が上手くいくようにしたいから」


　よくもまぁ、こんなに嘘がペラペラと出るな、と自分でも感心する。
その子と仲良くするなんて、無理に決まっている。
嫉妬心しか抱けない。


「……言うんだったら、実久留の好きな人も聞かなきゃ割に合わないよなぁ?」


「はぁ?なんでさ、私は応援するって言ってるのに」


「じゃあ俺も応援するから教えて」


応援出来るわけないでしょ。
＿＿私が好きなのは君なんだから。

　口からつい、そう出そうになる。
私の悪い癖だ、その場その場でポッと口から出てしまいそうになる。

もっと深く考えなきゃ。
後悔するのは自分なんだから。


「いや、居ないんで結構です」


「じゃあ言わなーい」


無邪気笑ってそう言う君。

たまに、少しは脈ありかなって思ったりした。
けど、それも勘違いだったみたいだ。

君の目には私なんて映っていなかったんだ。

今までも。

これからも。


「そろそろ乗ろうよ、足疲れた」


「そうだな」


　私は自転車に跨ぐと、早速漕ぐ速度をあげ始めた。

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