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第281話 ページ42

華「…おはよ!A」





『っ!……ぉ、はよ…』









シーーン







たった少しの、ほんの僅かな数秒という短い時間ですら、私は1分ぐらいの長さに感じてしまう。








学校に着いて、昇降口でばったりと会った華弥ちゃん。






お礼も言えぬままだったから、言わなきゃと思って声を出そうとするけど、何かに怯えてしまって声が出ない。









『………ぁ…』





華「ん〜…怪我はぁ…まだ治ってないか……、困ったことがあったら何でも言ってね!手助けするから!」






『ぇ…?』







予想外の言葉に目を見開く。





もっと、罵声とか浴びせられるんだと思ってた……












唖然としていたけど、ハッとなる。







言わなきゃ…







ありがとうって…







でも開きかけた口は固まったまま。









そんな私に華弥ちゃんはへにゃりと笑ってこう言った。








華「Aが話したい時に話して欲しいな、




…安心して!マイキーにもドラケンにも誰にも言ってないから!私は待ってる!





……だから、しんどくなったらいつでもおいで。」









私が言おうとしたことを違う意味で察した華弥ちゃんは、そう言った。














「それだけ。また教室でね!」と言って華弥ちゃんは小走りで教室へと行く後ろ姿を私はただ呆然と見つめるだけ。








『…そんなの都合がいい人だよっ……』











……ほんと、なんでだろう。






いつもいつも、大事なところで固まってしまう。







あの日お兄ちゃんに気持ちをぶつけたみたいに言えたら苦労しないのに……







華弥ちゃんにまで気を遣わせて。









『……はぁ』








そんな自分に呆れてため息しか出ない。





また手に残らないまま私は失っていくんだろう。









“やらない後悔よりやった後悔の方がいい”










誰かが言った言葉。





昔それをテレビで聞いて、その言葉だけは鮮明に今でも覚えている。







鼻先がツンとして、込み上げてくる自分への嫌悪感。





『…、やってもやらなくても私は変わんないのにっ……』







私はもう、本当の自分を見失っている。







正しいことでも違うように思えてくるのだ。










外の雑音は相変わらずうるさい。










みんな、前に進んでる。








私は置いてけぼり。






手を差し出されてもその手を握れないほど、また怯えている。



















そんな自分がムカつくの。

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モチモチ(プロフ) - シオンさん» お楽しみに〜って感じですね! (2022年7月16日 21時) (レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - モチモチさん» 絶対出番ありでしょう〜〜(*゚∀゚*)そこで飛び蹴り〜〜 (2022年7月15日 17時) (レス) @page48 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
モチモチ(プロフ) - マイキー出番あり……かも???笑 (2022年7月12日 19時) (レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - マイキーはよ〜〜助けてやって〜〜 (2022年7月11日 22時) (レス) @page45 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
モチモチ(プロフ) - 沙耶さん» ハッピーエンドになります!させます!!笑 はい、ありがとうございますっ☆ (2022年7月11日 22時) (レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モチモチ | 作成日時:2022年5月21日 21時

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