第223話 ページ33
縁起の悪いことは起こらないで欲しいのが願望だが、もしもその夢の中で亡くなった人が私の知る人だったら…
そう考えるだけでゾワッとする。
『…身内や、大切な人じゃなきゃいいけど、胸騒ぎがするってことはそういうことなんでしょうか…？』
本音を言えば、誰かに話さないと気が済まなかった。
…今の私には竜お兄ちゃんと一くんぐらいしかいないから。
最近一くんがピリついているのを見て、多分もうすぐ抗争が始まるって感じたから、竜お兄ちゃんもそうなんだろう。
そんな時に私が気を紛らわせるようなことを言っちゃいけない気がして。
『…このまま放っておいたら誰かが死にそうな気がして、怖いんです。
真一郎くんだったら、どうしますか？
きっとあなたなら、身体張って助けますよね…。』
答えが分からないからこそ、自問自答する。
笑っちゃうぐらいおかしなことだけど、今の私にはピッタリだ。
花「…A、ちゃん？」
『…武道くんと、乾くん？』
名前を呼ばれて振り返れば、特攻服を着た傷だらけの2人がいた。
『……真一郎くん、帰りますね。また、時間が合えば来ます。』
武道くんと乾くんの顔を合わせずに来た道と逆方向に歩いて行けば、武道くんに二の腕を掴まれる。
花「ま、待ってよ…！」
『…何？』
棘のあるひんやりと冷めた声が出て振り返れば、武道くんの顔から1滴の汗が垂れた。
冷や汗でもかいているのだろうか。
花「あ、いやその……
Aちゃんに話したいことがあって…！」
…話すこと？
そんなの、私にはこれっぽっちもない。
『私、東卍の味方でもなんでもないのに？
なんなら敵みたいなものじゃん？』
間違いではない…はず。
稀咲さんの仲間とか言っちゃったし…
『…悪いけど、＿＿＿』
花「Aちゃんのお兄さんのことについても！イヌピーはココくんについても話したいことがあるんだ！」
『…』ﾋﾟｸｯ
中途半端はあまり好まない私にとって、話したくないという気持ちの方が強かった。
だけど、お兄ちゃんという言葉に反応して、意図も簡単に揺らいでしまう。
ほんと、私はお兄ちゃんのこととなると馬鹿みたいに素直になる単純な人間だな。
自傷気味に笑った私の顔は誰にも気づくことは無かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 793人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モチモチ(プロフ) - 🐻さん» 返信遅くなってすみません……！💦 ワカ全然出てないのにそう言っていただけるなんて嬉しいです！！ (2022年7月12日 15時) (
レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
🐻 - ワカを出してくれてありがとうございます！推しなのでめっちゃ嬉しいです！！ (2022年6月11日 18時) (レス) @page23 id: 9bf86ec6ad (このIDを非表示/違反報告)
モチモチ(プロフ) - 引きこもり隊さん» 嬉しいです…！！ありがとうございますっ🥹 (2022年5月14日 12時) (レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもり隊 - いえいえ、誰にでも間違いはありますから！！作品とてもお面白くて毎日見てます笑頑張ってください！！ (2022年5月13日 22時) (レス) id: af8345609d (このIDを非表示/違反報告)
モチモチ(プロフ) - 引きこもり隊さん» これ真面目にお茶吹きました。わざわざありがとうございます…🥲 (2022年5月13日 22時) (レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：モチモチ | 作成日時：2022年4月5日 8時
