あったかもしれない未来 ページ36
大好き。
それは呪いの言葉だと思う。
少なくとも、俺はそうだ。
好きな人がいる。
でもその人は俺じゃない人と結ばれていた。
「大好き」
俺じゃない人にそう言葉を放って。
その人もその人で嬉しそうに、また幸せそうに微笑んで
「僕も大好き」だなんて言葉を放っていた。
目の前でそんな光景を見たら、
“あぁ、好きにならなきゃ良かった。
そうすればこんなにも苦しい思いをしなくてよかったのに。”
そう思ってしまう。
でも前向きに考える人もいるだろう。
“良かったな。おめでとう。幸せになれよ。”
人で例えるなら虎杖とか。
けど俺は違うんだ。
口ではそう言えても、素直に祝えない俺が心の中にいる。
先輩も、同級生も、好きな人の知り合いも家族も。
みんな心から祝福をしている。
彼女の隣に並べたらどれだけ幸せなのか。
伏「っ…」
考えたくもない。
心が苦しくなるだけ。
だから、俺はいつもその現実から背を向けるんだ。
これは悪い夢だ、そう思って。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
伏「……またかよ。」
木陰で眠っていた伏黒はそう呟いた。
“またかよ”
それは夢に出てきた彼女が他の人と付き合う夢。
「…ぁ、ごめん…起こしちゃった…？」
伏黒の隣に座っていた彼女は心配そうに顔を向けて言った。
先程、伏黒の頬に触れたせいで自分が起こしたと勘違いして謝っている。
そう、この彼女こそが伏黒のボヤいた言葉の原因の1つ。
伏「いや、違ぇ…悪い夢みてただけだ。」
「…そっか、私が起こしたわけじゃないんだ…」
暖かい風が吹き、眉を下げてへにゃりと笑った彼女は伸びた髪の毛をたなびかせる。
凄く絵になるような、そんな光景が少年の目に広がった。
それだけで心が満たされた伏黒は言う。
伏「A。」
「なあに？」
伏「…好きだ。」
ぽつり。
零した言葉は、彼女の目を見開く鍵となっている。
伏黒の本当の気持ち。
そんな伏黒に彼女はすぐにこう言い返す。
「知ってるよ。私も、恵のことが大好きだもん。」と。
その言葉を聞けた伏黒は今までにないくらい幸せそうに笑って彼女を抱きしめた。
絶対、こいつを幸せにする。
そう心に誓って
優しく。
終わり
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モチモチ(プロフ) - わっぱみがきさん» 最近読み返したんですけどかなりの誤字があって笑いましたがそんな感想を聞けて凄く嬉しいです💕 最後まで読んでいただきありがとうございましたー！ (11月18日 20時) (
レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
わっぱみがき - この作品映画化したら全米が泣くね！！！！(断言)自分ほんとこういう系弱いんですよ、！！神作すぎません？！設定しっかりしすぎてるし、読みやすいしエモいしでトリプルコンボですよこのやろう あったかもしれない未来でエモすぎて悶絶した、完結おめでとうございます (11月1日 13時) (レス) @page36 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
モチモチ(プロフ) - 夜月星さん» えぇ…泣 嬉しすぎます.*･ﾟありがとうございます*ˊᵕˋ* (8月17日 16時) (レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
夜月星 - この作品に感情移入しすぎて泣きながら読みました。とても感動しました！これからも活動頑張ってください！ (8月10日 2時) (レス) @page36 id: 8fef4097b5 (このIDを非表示/違反報告)
モチモチ(プロフ) - ゆゆさん» わぁ！めっちゃ嬉しいです〜！✨️最後まで読んで頂きありがとうございました！ (2023年2月11日 19時) (レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モチモチ | 作成日時：2021年12月19日 15時
