185話 ページ16
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人、人、人。
夜中だと言うのに渋谷の街はキラキラと輝いていた。
「(ここじゃない…)」
すれ違う度、知らない人が私の方を見る。
それもそうだ。
真冬の夜中、1桁の気温の中、薄着で裸足。
しかも杖までついていて歩いている人なんてまあいない。
自分でも変な人だって思う。
寒さというものが大嫌い。
「ヘックシュン…あ゛ー」
これ風邪いひたかも…、でも確実に前には進んでる。
だけど、だんだん手足に力が入らなくなってきた。
それと同時に身体中熱い。
「(あと少しだ…)」
見覚えのある光景に自然と足の回転も速くなった。
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「(ここだ…)」
3年も経てば新しい建物が建っていたり、あった建物がなくなっていたり様々だった。
「っ……」
見渡しても手掛かりひとつわからなかった。
「…ハァッ……ハァッ……」
息が苦しい。
身体がだるい。
頭ももう働かない。
心のどこかではわかっていた。
花呪蘭が祓われたということを。
でも信じたくなかった。
その現実から目を背けた。
「、…」
足ももう限界だ。
いざ現実を見せつけられると何もかもがどうでもよくなりそう。私が道端に座り込んだのを心配した2人の男女が声をかけて来た。
男「大丈夫ですか…!」
女「ちょっとっ…この子すごい熱!救急車呼ばなきゃ…!」
涙でボヤけて顔なんて見えやしない。
また、自分の勝手な行動で人様に迷惑かけた。
「ごめ、……さい………」
ごめんなさい。
たった6文字もまともに言えない。
ここで病院送りなんてごめんだ。
まだやらなければならないことが沢山あるのに。
『ちょっとすみません』
また誰か来た…
『っ!A…?』
その人は私の肩を支えて上半身を起こした。
『いつ目をっ…!』
もうダメだ…、意識が遠のいていく。
「…」ギュッ
私は無意識にその人の服を掴んでいた。
『っ!…もう大丈夫だ。身体を預けな。』
見覚えのある影だった。
だから凄く安心してしまって、力を入れていた身体がもう動かなくなりゆっくりと目を閉じた。
そして意識を飛ばす寸前、心の中が凄くモヤモヤした。
どうしてなのかな…?
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もうすぐ完結とは…?
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モチモチ(プロフ) - わっぱみがきさん» 最近読み返したんですけどかなりの誤字があって笑いましたがそんな感想を聞けて凄く嬉しいです💕 最後まで読んでいただきありがとうございましたー! (11月18日 20時) (レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
わっぱみがき - この作品映画化したら全米が泣くね!!!!(断言)自分ほんとこういう系弱いんですよ、!!神作すぎません?!設定しっかりしすぎてるし、読みやすいしエモいしでトリプルコンボですよこのやろう あったかもしれない未来でエモすぎて悶絶した、完結おめでとうございます (11月1日 13時) (レス) @page36 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
モチモチ(プロフ) - 夜月星さん» えぇ…泣 嬉しすぎます.*・゚ありがとうございます*ˊᵕˋ* (8月17日 16時) (レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
夜月星 - この作品に感情移入しすぎて泣きながら読みました。とても感動しました!これからも活動頑張ってください! (8月10日 2時) (レス) @page36 id: 8fef4097b5 (このIDを非表示/違反報告)
モチモチ(プロフ) - ゆゆさん» わぁ!めっちゃ嬉しいです〜!✨️最後まで読んで頂きありがとうございました! (2023年2月11日 19時) (レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モチモチ | 作成日時:2021年12月19日 15時