146話 ページ24
花呪蘭side
我はAから出来た呪霊だった。
Aが産まれた時からずっと、我はAの心の中にいた。
産まれたて赤ちゃんと言うものは、すごく不思議なものだったのを今でも覚えている。
すごく優しく、暖かい。心地良い野原が広がっている、風も吹いている、そんな場所だった。
その頃の我は、身体が未完成だったためただ景色を眺めることと、その心地良い感覚だけを感じるだけだった。
だけどAに自我が芽生え始めた時。
我はだんだん身体にも、頭にも全体的に力が付くようになった。第一反抗期、というものだろう。
元々、我はAの負の感情から出来ている。憎しみ、悲しみ、嫌悪、不安、孤独、怒り…などといった負の感情から。
Aがそう感じる度、我に力が漲る材料となっていた。少しずつだが、でも確実に我が成長しているということに変わりはなかったのだ。
それでも心地良い場所というものは変わることがなく、いつまでも穏やかだった。
ゆっくりと成長していく我はある日、急激に成長するようになった。
鬼狩りならぬ、呪霊狩り。
正義感の強いAは呪霊によって誰かが傷つくのを見ると、自分を憎むようになった。
『私がもっと早く来ていればこんな目に遭うことなんて済んだのに…』
『私がもっと強かったら…』
『師範のようにならないとッ…』
『私が…!私がッッ!!!』
よく誰もいないところで弱音を吐くようになった。
人前では我慢をして、隠れて本音を自分自身にぶつけるようになった。
でも、幼馴染の人や学校の友達では笑顔が絶えず凄く優しい女の子だった。真面目で、素直、少しツンとしているところもあったけど愛される子に育っていた。
そんな何気ない毎日だった。
だけど、決定的にAの変化が大きくなったのはAの母親の“死”だ。
Aから笑顔がほとんど消えた。
大切にしていた友達も疎かにしようとしていた。
他人に心を開かなくなった。
我の成長をここまで育て上げた。
ここまで強くしてくれた。
呪術の世界に踏み込んでもAは自分を変えようとしなかった。
でもそんなAを少しづつ変えてくれたのが、五条悟を率いる東京校の呪術師の人たちだった。
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モチモチ(プロフ) - 美咲さん» ぜひ読んでみたいです!!時間がある時読ませていただきます!! (2021年12月19日 15時) (レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - モチモチさん» 私も今、鬼滅の刃の小説を書いているんです‼️時間があったら見てみて下さい‼️ (2021年12月19日 12時) (レス) id: 352f7f8a03 (このIDを非表示/違反報告)
モチモチ(プロフ) - 美咲さん» うわぁーーん!!めちゃくちゃ嬉しいです(TωT) ありがとうございます!! (2021年12月19日 10時) (レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 凄くおもしろかったです‼️4時間位で最初から読んで来ました‼️頑張って下さい‼️ (2021年12月19日 5時) (レス) @page45 id: 352f7f8a03 (このIDを非表示/違反報告)
モチモチ(プロフ) - メロン♪さん» お気遣いありがとうございますっ!そうなんですね!!!ぜひ読ませていただきます✩.*˚ (2021年11月21日 8時) (レス) id: 832328d0a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モチモチ | 作成日時:2021年10月22日 13時