第五話 ページ6
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校長にポケモンは決まったかと聞かれたので、肩に乗っていたニャオハを抱っこする。まあ、校長も分かっていたとは思うが形式だろうな。
『ニャオハを選んでもいいですか？』
「もちろんです。この短期間で随分懐いている。
ニャオハさんとAさんは、とても良きパートナーになれそうですね。」
微笑ましい顔で見られ、ニャオハと顔を見合わせる。
彼はトトッと腕を伝ってきた。
『ニャオハ、私はA。改めてよろしくね！』
「ハニャァッ！」
記念に撮っておこうとスマホでニャオハとの自撮りを
する。記録は撮っときたいよね。
前世の記憶が戻ってから初めて心からの笑みを浮かべた。
前世思い出す前はあの人のことを考える以外何も感情動かなかったからなぁ。まあそれはいいとして。
バトル大好きな彼女がトレーナーを見てバトルをしないわけがなく。近くのバトルフィールドで勝負することになった。
ネモがいつものポケモンを出そうとするハプニングがありながらも、お互いにさっき貰ったパートナーたちを繰り出す。
「初めてのバトル、楽しんでほしいな！」
こちらの事情を知るはずもない彼女からそう言われ、思わずニャオハとともににやりとする。
初めてねぇ…。
確かに今世では初めてだから間違ってはいないか。
それじゃ、文字通り初バトル、楽しんでいこうかな。
「クワッス、はたく！」
『ニャオハ！しっぽを使って応戦しろ！』
「ニャ！！」
『そのまま連続でしっぽをふる！』
「え！？」
予め校長から教えてもらったニャオハの技を選択して指示を出す。
驚く彼女を気にかけることもなく、彼はしっぽを振って
クワッスの防御を下げた。
「こっちも負けてられないよ！鳴き声！」
『回転しながらこのはで周りを覆い尽くせ！』
相手の鳴き声が届かないようこのはで即席の壁を作る。
ブレイクダンスのように回りこのはを出す彼にフィナーレだと目配せし、最大パワーで木の葉をぶつける。
防御を大幅に下げられたクワッスは効果抜群の技に耐えられる訳もなく、グルグルと目を回して倒れた。
勝負あり、だ。
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作者名：瑠璃 | 作成日時：2022年12月18日 21時
